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*&ruby(ごうせいかいこうれーだー){【合成開口レーダー】};
Synthesized Aparture Rader(SAR).~
電波を利用し、高解像度の地形イメージを作り出すレーダー。雲など天候に左右されない利点を持つ。~
[[観測機]]や人工衛星、[[攻撃機]]、[[偵察機]]に搭載され、測量や観測、偵察や[[攻撃機]]のターゲティングに用いられる。
Synthetic Aperture Radar(SAR).~
[[電磁波]](マイクロ波)を利用し、高解像度の地形イメージを作り出すレーダー。可視光や赤外線画像に比べ、天候に左右されない利点を持つ。~

地形レーダーによるイメージは、通常可視光に比べ非常に不鮮明であるが、飛行中に何度も角度を変えて同じ地域を走査し、複数の異なったイメージを最後に1枚に合成することにより、写真画質と同等な高解像度イメージを造成する。
一般にレーダーの解像度に大きく影響する指向性(ビーム幅)は、λ/D(λ:波長 D:アンテナ直径)で表される。アンテナが大きければ大きいほど、波長が短ければ短いほど(周波数高)、高解像度が得られることになる。~
すなわち同じアンテナ径であれば、超高周波数の光(≒0.5μm)に比べ、[[ロングボウアパッチ>AH-64]]に用いられるミリ波(≒8.5mm)は解像度が低く、[[レーダー]]に用いられるマイクロ波(≒10cm以上)はさらに低いことになる。眼という小型の受信機でも大型レーダを越える解像度が得られるのはこのためである。マイクロ波で可視光と同等の解像度を得るためには、アンテナ径を10万倍以上にしなければならない。(もちろん不可能)~
そこで、可視光カメラを用いると今度は高周波数なために大気中では減衰が大きく、探知距離が落ちてしまう問題がある。~
そこで、マイクロ波を用いて、複数のアンテナないしは自機の移動を使って、見かけ上のアンテナ径を上げる技術が合成開口レーダーである。ここから、自機の移動を使った開口合成レーダについて説明する。~
原理は[[フェイズドアレイレーダー]]によく似ている。[[フェイズドアレイレーダー]]における各素子の代わりに、自機が移動してポイント(最低でも"波長/2=標本化定理")ごとに[[レーダー]]波を送受信、その結果を記録するのである。[[フェイズドアレイレーダー]]ではアンテナ径は、端から端までの素子の距離であったので、理論上は自機が移動する限り、見かけ上とてつもなく巨大なアンテナを作ることが出来るのである。~
実際には[[フェイズドアレイレーダー]]に比べて難しい技術である。フェイズドアレイレーダでは各素子の受信は同時になり、位相変換素子を用いて簡単に位相の重ねあわせを行うことが出来る。しかしながら合成開口レーダでは、受信は時間的なズレがあるためにコンピュータによる処理を行わなければならない。コンピュータ上で高周波数のマイクロ波の受信結果を正確に記録し、位相の重ねあわせを行うのは非常に処理量が多い(膨大な数のフーリエ変換等)。そのため、十分な性能を持つコンピュータが登場するまで実現不可能な技術であったし、現在でも高性能なコンピュータを必要とし、場合によっては多少解像度を落としてでも処理量を減らすことがある。~
欠点としては、広範囲にレーダを照射し必要なデータのみを浮かび上がらせる方法であるため、一点に集中するより雑音を拾いやすいこと、予め地上高度データが必要になること、自機に精度の良い航法装置を必要とすること、真下は死角となることなどがある。~
電波の干渉を用いるため"Interferometric Synthetic Aperture Radar:干渉合成開口レーダ(InSAR)"とも呼ばれる。~
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移動する物体に搭載される例としては、[[観測機]]や人工衛星、[[攻撃機]]、[[偵察機]]があり、測量や観測、偵察や[[攻撃機]]のターゲティングに用いられる。地表の状態を数十cm〜数m単位で知ることが出来る。~
また、地上にある巨大な電波望遠鏡を複数組み合わせて(フェイズドアレイの素子に対応)、見かけ上更に巨大な電波望遠鏡を作り出し、深宇宙を探る用途にも用いられる。野辺山宇宙電波観測所では直径45メートルの高精度電波望遠鏡と、直径10メートルのパラボラ5基を最長600m程度の範囲に配置し、信号を開口合成して直径600m相当の解像度を達成している。~
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参考リンク:http://homepage3.nifty.com/murasakigawa/tech/sar/ (合成開口レーダー)


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