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*&ruby(かねのかべ){【金の壁】}; [#hb52e238]
[[航空機]]の高速化・ハイテク化に伴う価格の上昇により、開発や生産に莫大な資金が必要となったため、最先端の技術を投入することにより、「技術的」には可能であっても「コスト的」に不可能であることを言う。~
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[[軍用機]]の開発では、まず[[音の壁]]、次に[[熱の壁]]、最後に金の壁を突破することが必要である。~
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[[熱の壁]]などは、技術的には[[チタニウム]]などの複合合金を多用することにより解決可能であるが、コストが膨大になってしまうため、まさに金の壁である。~
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このように技術を最優先した機体([[F-22]]・[[B-2]]など)は、たとえ量産化にこぎつけても、金の壁に阻まれて生産数を極端に減らされる((F-22は空軍型750機・海軍型546機の生産予定だったところ、実際の生産数は187機(空軍型のみ)にとどまることとなり、一方のB-2は、130機あまりの生産予定がわずか21機で打ち切られた。))羽目に陥ることが多々ある。
技術的には可能であるにも関わらず、開発費・生産費・維持費が高額すぎて実現不能な(破綻した)プロジェクトを指す比喩表現。~
元は[[超音速]][[航空機]]の開発計画に関する揶揄で、[[音の壁]]と[[熱の壁]]を突破した先に待つ最後の壁とされる。((配備するのが遅すぎて成果が無意味になる「時間の壁」、法制上の欠陥や政治的都合によってプロジェクトが暗礁に乗り上げる「バカの壁」などもあるにはあるが、これらは常に問題になるわけではない。))~

関連:[[音の壁]] [[熱の壁]]
金の壁は科学技術上の問題ではないため、一般的な科学者・技術者の立場では検知できない。~
このため、量産体制や実用段階に入った後、問題が起きて初めて「金の壁」の存在に気付く事も少なくない。~
そして気付いた所で修正は不可能に近く、配備計画の縮小やプロジェクト自体の凍結以外に手の打ちようもないのが現実である。

関連:[[音の壁]] [[熱の壁]] [[コンコルド]] [[コンコルド症候群]] [[F-22]] [[B-2]] [[90式戦車]]


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