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*&ruby(ぐりぺん){【グリペン】}; [#we5866a5]
JAS39 "Gripen((スウェーデン語でグリフォン（有翼獅子。上半身が鷹、下半身が獅子の翼をもつ伝説上の生き物）の意。))".~
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スウェーデンの[[JAS]]グループ（[[サーブ]]社を中核とする企業連合体）が開発した[[戦闘機]]（[[マルチロールファイター]]）。~
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[[ドラケン]]・[[ビゲン]]の後継としてスウェーデン軍に納入する前提で、同国の国防状況に特化した設計が為されている。~
国力で勝る[[仮想敵国]]からの防衛を想定した設計で、一般の高速道路で[[離陸]]・[[着陸]]できるだけの[[STOL]]性を持つ。~
反面、これを実現するための軽量化・小型化によって[[ペイロード]]・[[航続距離]]を大きく犠牲にしている。~
新技術の導入に対しては慎重・保守的な設計で、ライフサイクルコストは同世代[[戦闘機]]の50〜75％程度に抑えられるとしている。~
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上記の設計思想はスウェーデン以外でも多くの中小国の情勢と合致するもので、輸出も行われている。~
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**スペックデータ[#we5866a5]
|タイプ|CENTER:JAS39A|CENTER:JAS39B|CENTER:JAS39C|CENTER:JAS39D|CENTER:JAS39E|CENTER:JAS39F|
|乗員|CENTER:1名|CENTER:2名|CENTER:1名|CENTER:2名|CENTER:1名|CENTER:2名|
|全長|CENTER:14.1m|CENTER:14.76m|CENTER:14.1m|CENTER:14.76m|CENTER:15.2m|CENTER:14.1m|
|全高|>|>|>|>|>|CENTER:4.5m|
|全幅|>|>|>|CENTER:8.4m|>|CENTER:8.6m|
|翼面積|>|>|>|>|>|CENTER:30.0��|
|空虚重量|CENTER:6,622kg|CENTER:7,000kg|CENTER:6,800kg|>|CENTER:7,100kg|CENTER:-|
|兵装搭載量|>|>|>|CENTER:5,300kg|>|CENTER:6,450kg|
|最大離陸重量|>|CENTER:12,500kg|>|CENTER:14,000kg|CENTER:16,500kg|CENTER:-|
|内部搭載燃料量|CENTER:3,000L&br;（2,400kg）|CENTER:2,850L&br;（2,280kg）|>|CENTER:3,000L|CENTER:3,780kg|CENTER:-|
|[[ハード&br;ポイント>ハードポイント]]|>|>|>|CENTER:8ヶ所|>|CENTER:10ヶ所|
|[[エンジン]]|>|>|>|>|>|CENTER:[[ターボファン]]×1基|
|~|>|>|>|CENTER:ボルボ・フリーグモーター[[RM12>F404]]|>|CENTER:[[GE>ジェネラルエレクトリック]][[F414-GE-39E>F404]]|
|[[推力]]|>|>|>|CENTER:54kN/80.7kN（[[A/B>アフターバーナー]]使用時）|>|CENTER:64.0kN/98kN（[[A/B>アフターバーナー]]使用時）|
|最高速度|>|>|>|>|>|CENTER:[[Mach>マッハ]]2.0&br;（E型はマッハ1.2で[[超音速巡航]]可能）|
|[[航続距離]]|>|CENTER:-|CENTER:約3,000km&br;（増槽有り）|CENTER:-|CENTER:2,500km&br;（増槽無し）&br;4,070km&br;（増槽あり）|CENTER:-|
|[[戦闘行動半径]]|>|>|>|CENTER:800km|CENTER:1,300km&br;（30分間の戦闘含む）|CENTER:800km|
|[[実用上昇限度>上昇限度]]|>|>|>|>|>|CENTER:15,240m|
|Gリミット|>|>|>|>|>|CENTER:+9G、-3G|
|滑走距離&br;（[[離陸]]/[[着陸]]）|>|>|>|>|>|CENTER:7×400m/7×500m（制動傘無し）|
|基本装備&br;構成|>|>|>|>|>|CENTER:空対空：[[BVR>目視外射程]][[AAM>空対空ミサイル]]×4発、[[視程内射程（WVR）>視程内射程]]AAM×2発、1,100L[[落下式燃料タンク>増槽]]×2〜3基&br;空対地：[[AGM>空対地ミサイル]]×2発、滑空爆弾/[[CM>巡航ミサイル]]×2発、WVRAAM×2発、1,100L落下式燃料タンク×1基&br;[[SEAD>敵防空網制圧]]：[[レーザー誘導爆弾]]×4発、WVRAAM×2発、1,100L落下式燃料タンク×1基、&br;対地精密照準誘導ポッド×1基&br;空対艦：[[ASM>空対艦ミサイル]]×2発、[[AGM>空対地ミサイル]]×2発、WVRAAM×2発、1,100L落下式燃料タンク×1基&br;偵察：モジュラー[[偵察]][[ポッド]]×1基、WVRAAM×2発|
|固定武装|>|>|>|>|>|CENTER:[[マウザーBK27 27mm機関砲>BK27]]×1門|
|>|>|>|>|>|>|CENTER:兵装|
|[[AAM>空対空ミサイル]]|>|>|>|>|>|CENTER:WVRAAM：[[Rb74（AIM-9L）>AIM-9]]、[[AIM-9X>AIM-9]]、[[Rb98（IRIS-T）>IRIS-T]]、AIM-132「ASRAAM」、&br;[[パイソン4]]、[[パイソン5]]、V3E「アジャイル・ダーター（A-Darter）」&br;BVRAAM：[[Rb99（AIM-120「ASRAAM」）>AIM-120]]、[[ミーティア]]、[[ダービー]]、&br;V4「R・ダーター」|
|[[AGM>空対地ミサイル]]/[[ASM>空対艦ミサイル]]|>|>|>|>|>|CENTER:[[Rb75（AGM-65「マーベリック」）>AGM-65]]、[[ブリムストーン]]、Spear、&br;BK90（DWS39）滑空型スタンドオフディスペンサー、[[タウラス]]、&br;[[AGM-154「JSOW」>AGM-154]]、AGM-158「JASSM」、Rbs15F|
|爆弾類&br;ロケット弾|>|>|>|>|>|CENTER:[[GBU-10/-12/-16/-49「ペイブウェイII」>ペイブウェイ]]、[[GBU-22/-24「ペイブウェイIII」>ペイブウェイ]]、&br;[[GBU-31/-32/-38 JDAM>JDAM]]、[[GBU-39 SDB>GBU-39]]、GBU-53/B SDB II、&br;「リザードII/III」[[レーザー誘導爆弾]]&br;「スパイス」[[赤外線画像誘導>赤外線誘導]]（[[GPS>全地球測位装置]]誘導併用）[[誘導爆弾]]&br;通常爆弾&br;ロケット弾ポッド|
|爆弾類&br;ロケット弾|>|>|>|>|>|CENTER:[[GBU-10/-12/-16/-49「ペイブウェイ�供�>ペイブウェイ]]、[[GBU-22/-24「ペイブウェイ�掘�>ペイブウェイ]]、&br;[[GBU-31/-32/-38 JDAM>JDAM]]、[[GBU-39 SDB>GBU-39]]、GBU-53/B SDB II、&br;「リザード��/�掘�[[レーザー誘導爆弾]]&br;「スパイス」[[赤外線画像誘導>赤外線誘導]]（[[GPS>全地球測位装置]]誘導併用）[[誘導爆弾]]&br;通常爆弾&br;ロケット弾ポッド|
|照準装置|>|>|>|>|>|CENTER:[[AN/AAQ-33「スナイパー」>AN/AAQ-33]]、RECCELITE((ライトニングベースの偵察ポッド。レーザー目標指示器を下ろし、0.7度の視野を有する赤外線画像方式の[[FLIR]]を搭載。))、[[AN/AAQ-28(V)「ライトニング」>ライトニング]]|
|偵察用装備|>|>|>|>|>|CENTER:「MRPS（SPK39）」モジュラー偵察ポッドシステム&br;ビコン18/72C戦術偵察ポッド&br;DJRP（デジタル統合偵察ポッド）|
|その他|>|>|>|>|>|CENTER:ADM-160「MALD」空中発射[[デコイ]]、落下式燃料タンク（1,100L）、&br;EHUD/FPR AACMIポッド((戦闘訓練における飛行データの分析などに使われる記録装置。))、BOQ-X300 [[ECM]][[ポッド]]、スモークポッド|
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**主な採用国[#we5866a5]
:スウェーデン|[[ローンチカスタマー]]。
:南アフリカ共和国|[[チーターC/D>チーター]]の代替として28機を購入。
:ハンガリー|[[MiG-29A/UB>MiG-29]]の代替として14機をリース。
:チェコ|[[MiG-21MF/MFN/UM>MiG-21]]の代替として24機購入。2005年8月に機体納入完了。
:タイ王国|[[F-5>F-5（戦闘機）]]の代替として12機購入。2011年から配備開始。
:イギリス|試験機・[[練習機]]として少数を導入。
:スイス|[[F-5E/F>F-5（戦闘機）]]の代替で30機前後の導入を検討中。
**バリエーション（カッコ内はスウェーデン空軍名称）[#we5866a5]
-JAS39A（Adam）：~
初期量産単座型。~
バウロス1、バウロス2/バッチ1、バウロス2/バッチ2の3種類ある。~
サーブ社内名称ではバウロス1はMk.1グリペン、バウロス2/バッチ1とバウロス2/バッチ2はMk.2グリペンと呼称されている。~
~
-JAS39B（Bertil）：~
機銃を持たない転換訓練用複座型。SKとも呼称される。~
機関銃を持たない転換訓練用複座型。SKとも呼称される。~
胴体が65.5cm延長され、後部座席確保のために胴体の2番燃料タンクを撤去。~
これによって燃料容量が約5％減少（約2,850L）となっている。~
~
-JAS39C（Caesar）：~
単座型に[[GPS>全地球測位装置]]端末を装備するなどA型の電子装置を改良したもの。~
バウロス2/バッチ3、バウロス3の2種類ある。~
サーブ社内名称ではバウロス2/バッチ3がMk.3グリペン、バウロス3がMk.4グリペンと呼称されている。~
国外運用および[[NATO>北大西洋条約機構]]軍との連携を考慮し、[[プローブアンドドローグ]]方式の空中給油装置を追加装備している。~
~
--バウロス2/バッチ3：~
機体構造を変更した型。~
[[APU]]をハミルトン・サンドストランド社製のT-62T-46LC-1に変更し、データバスを5本に拡張した。~
また、コックピットは表示装置がカラー液晶のEP-17 Mk.3に変更され、計器表示も英語に変更、暗視スコープに対応した。~
その他、[[パイロン]]に[[チャフ]]/[[フレア]]発射機を装備。~
コミュニケーション＆[[データリンク]]39（CDL 39）、ローデ＆シュヴァルツ シリーズ600 [[UHF]]/[[VHF]]無線機、NATO互換の[[IFF>敵味方識別装置]]を搭載。~
~
--バウロス3：~
コックピット表示装置をEP-17 Mk.4に、飛行記録装置をDiRECTに変更した。~
また、新機上航法装置（NINS）と新計器着陸装置（NILS）、機内環境電子制御装置（GECU）が搭載され、[[電子戦]]装置をEWS39に変更した。~
パイロンはNATO互換のものに変更され、対応兵装が増加した。~
[[降着装置]]の強化により最大離陸重量が14,000kgに増加している。~
~
-JAS39D（David）：~
C型同等の改良を施した複座型。~
C型と比べて全長が65.5cm長く、空虚重量が約300Kg増加している。~
C型と比べて全長が65.5cm長く、空虚重量が約300kg増加している。~
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-グリペンDemo：~
複座型をベースにしたグリペンNGの先行試験機。~
2008年4月23日にロールアウトし、同5月27日に初飛行した。~
既存のグリペンC/DのエンジンをF414G（[[推力]]98kN（[[A/B>アフターバーナー]]使用時））に換装。~
[[レーダー]]をタレスと共同開発したRBE2[[AESA]]に換装(後にSELEXガリレオ・アヴィオニカのES-05「レイブン」AESAに再換装)。~
主脚を再設計して格納位置を主翼の付け根に移動させ、これによってフレームを流用したまま燃料搭載量が約40％増加。~
主脚の格納方式の変更に伴い、胴体下の[[ハードポイント]]数が1個から2個に増加している。~
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-JAS39E/F グリペンNG（next generation）：~
グリペンDemoの改修を基にさらなる近代化を施した発展型。~
エンジンを[[F/A-18E/F>F/A-18]]に採用されている[[F414-GE-39E>F414]]へ換装し、[[超音速巡航]]能力を獲得。~
ES-05「レイブン」[[AESA]][[レーダー]]を搭載。~
「スカイワード-G」[[IRST]]を装備。~
[[アビオニクス]]を改良し、衛星通信能力・改良型[[データリンク]]、改良型電子戦機器などを導入。~
また、C/D型に比べて[[RCS>レーダー反射面積]]を大きく低減させている。~
ブラジルが採用したほか、スウェーデンでも既存機のE/F型への改修と新造機の導入を決定した。~
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-シーグリペン（グリペン マリタイム）：~
グリペンNGの艦載型。スウェーデンとイギリスの共同計画。~
着陸装置のノーズギアからダブルタイヤへと補強。~
加えて、[[艦載機]]に必要なアレスティング・フック、カタパルト射出用アタッチメント、海水腐食対策などの措置を実施。~
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-グリペン[[UCAV>無人機]]：~
D型を無人戦闘攻撃機化する計画。~
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-グリペンEW：~
F型をベースにした[[電子戦機]]型。~
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