【UYK-43】(ゆーわいけーよんじゅうさん)

1980年代、UYK-7UYK-20の後継として開発された艦載用コンピュータ。
現在では、アメリカ海軍海上自衛隊などで幅広く用いられている。

1970年代に開発され、タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦などに搭載されたUYK-7は極めて大型であったため、小型艦艇には搭載できなかった。
このため、「NTDS*1」の搭載が不可能であった。

しかし、1980年代になり、LSI(大規模集積回路)の開発や、新型トランジスタなどによりUYK-7に代わる大型コンピューターが必要視され、UNIVAC社によって1984年に開発されたのがUYK-43である。

UYK-43は開発ののち、はじめはタイコンデロガ級アーレイ・バーク級イージス艦のベースライン4から搭載され、当初はUYK-4 36基と補助用UYK-44?23基で構成されていたという。
この当時のUYK-43は1語長が32ビット、VLSI(モトローラ68060と浮動波動計算用のコプロセッサ68882)を使用していたとされており、同時期のUYK-44の約2.5倍の処理速度を示した。
1990年代になると、民間企業によるCOTS化が促進され、性能は格段に向上した。
米イージス艦を例にとって考えると、ベースライン5はMILスペック(軍用規格)であるのに対し、ベースライン6からは民生品との組み合わせで性能は従来の120倍にまで向上した。

しかしながら、システムの陳腐化やOA化の流れを受けて、米海軍では新開発のUYQ-70を採用し、UYK-43は2000年をもって生産が終了した。
生産台数は1,250台であった。

搭載艦


*1 Naval Tactical Data System:海軍戦術情報システム。

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