【SS-N-12】(えすえすえぬじゅうに)

ロシア名:P-500 Bazalt*1
NATOコード:SS-N-12 Sandbox(サンドボックス)
GRAUコード:4K77(初期型)・4K80(後期型)・3M70(P-1000)

1960年代中頃に開発され、旧式したP-6/35「プログレス」(SS-N-3「シャドック」)?の後継として開発されたソ連製の大型艦対艦巡航ミサイル
開発は1963年にスタートし、1969年に試作型が完成し、翌年に試射を実施。1974年に制式採用された。

基本的な構成はP-6を踏襲しているが、飛翔速度・射程距離・弾頭威力の向上が図られており、射程は550km、速度はマッハ2.2、発射重量は4,800kg、弾頭は1,000kgのHEもしくは350ktの核弾頭が装備可能である。
誘導方式は指令更新付きの慣性誘導*2終端誘導にはアクティブレーダー誘導が採用されている。
基本的に対艦用だがロシア国防省によると地上攻撃も可能との事。

1979年からは発展型のP-1000「ヴルカーン」が開発・配備されている。

搭載艦艇

スペックデータ

種類長距離艦対艦巡航ミサイル
設計チェメロイ設計局
開発年1963年
配備年1975年
全長11.7m
直径88cm
翼幅2.6m
発射重量4,800kg
射程550km(OTH目標)
速度マッハ2.2
推進方式ターボジェット+固体推進ロケットモーター
エンジンKR-17-300ターボジェット
ペイロード1,000kg(単弾頭)
弾頭HE(1,000kg)または核弾頭(350kT)
誘導方式指令更新付慣性誘導/アクティブレーダー誘導
配備数約400基

派生型

  • P-1000「ヴルカーン*3」:
    P-500の発展型。
    射程の延伸を重視しており、各部にチタン合金を採用し軽量化、制御ノズルの改良や発射ブースターの強化などの改良が施されている。
    空気取り入れ口は左右分割型からショックコーンの付いた一体型になっている。
    射程は700km(暫進型*4)/1,000kmである。


*1 Базальт:ロシア語で玄武岩の意。
*2 中間軌道修正にはTu-95DKa-25BKa-27Bを用いる。
*3 Вулкан:ロシア語で火山の意。
*4 改良型弾体にP-500のブースターを組み合わせたもの。発射機の強化までの間配備された。

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