【SAGE】(せいじ)

Semi Automatic Ground Environment 半自動防空警戒管制組織。
1950年代末にアメリカ空軍?が開発・構築し、1970年代末まで運用していた防空管制システム。

地上のレーダーサイト早期警戒機未確認機を捕らえた後、これらから送信されてきた情報を基に、自動的に目標の高度・速度・予想針路などを大型コンピュータで算出、迎撃が可能な要撃機基地やSAMサイトに対してスクランブルなどの対領空侵犯措置を指示するシステム。
実際に迎撃を行う要撃機やSAMサイトには、計算された目標会敵空域などが送信される。
人間の手の介在を最小限に抑え、自動化することにより迎撃管制の高速化を実現した。

ただし、これでも侵入を許してしまった実例があったり、海鳥の大きな群れを目標として捕捉してしまったりしたこともあったといわれ、また、システムが本格的に稼動しはじめた頃、既に仮想敵国であるソ連は弾道ミサイルの運用を本格的に行っており、その有効性には疑問が持たれ続けていた。

なお余談ながら、本システムのベンダーであったIBMは後にこれを応用し、アメリカン航空と共に旅客機の空席照会・座席予約・航空券の発券をリアルタイムで行う「SABRE」システムを開発することになった。*1

関連:バッジシステム


*1 SABREは、日本国有鉄道(国鉄)と日立製作所が列車の指定席予約・発券システム「マルス(MARS)」を開発する際に参考にされたシステムの一つでもある。

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