【SA-21】(えすえーにじゅういち)

現在ロシアが開発・配備中の最新鋭長距離地対空ミサイル
NATOコードはSA-21「グロウラー」、ロシアではS-400「トリウームフ(Триумф:大勝利)」と呼ばれている。以前はS-300PM3やS-300PMU3として知られていた。
このSA-21は、S-300を超える性能を持ち、パトリオットの2倍の射程を持つといわれているが、最新鋭の地対空ミサイルのため情報は少ない。
しかし、2003年のMAKSミサイルと発射機が初めて公開され、一部のスペック情報が一般に発表された。

発射機は5P85TE2と呼ばれるもので、1両に3種類のミサイル(合計6発)が搭載されており、既存のS-300システム用各種ミサイルと新規開発のミサイルを組み合わせて運用可能である。

使用するミサイルは、FakelDesignBureau?社が開発した重量333kg、射程40km、単段式固体燃料ロケット方式の短〜中距離用ミサイルである9M96Eと9M96Eの射程向上型で重量420kg、射程120kmの9M96E2で、9M96・9M96E2とも、弾頭はHE 爆風破砕弾頭(24kg)を使用する。
なお、このミサイルは既存のS-300シリーズにも搭載可能である。

中〜長距離用は48N6系列の最新型である48N6DMを使用するが、スペックや外見などは公開されていないため不明である。

長距離〜超長距離用は、現在開発中の40N6を使用し、射程400km、セミアクティヴ&アクティヴホーミング・デュアルモードシーカーデータリンクシステムを採用し、射程3,500km、秒速4.8kmまでの中距離弾道ミサイルの迎撃が可能とのこと。

この40N6については最大高度30,000mまで到達でき、ステルス機、航空機ヘリコプター巡航ミサイル弾道ミサイル等あらゆるものに対処でき、相手が回避機動をしても99.1% の確率で撃墜出来ると言うが、現実的に見てこのようなスペックが実現できるかどうかは疑わしい。

レーダー車にはそれぞれMZKT-7930重トラックが使用され、92N2E「グレイヴストーン」・96L6「チーズボード」と呼ばれるフェイズドアレイレーダーが搭載されている。
肝心のスペック等はわかっていないが、外見の見た感じでは、かなり大型のフェイズドアレイレーダーである事が分かる。
現在SA-21については2005年から数基がモスクワに配備されている。

なお、ロシアはSA-21の他にも長・中射程地対空ミサイルを2種類開発中と言われている。名前はVityaz(SA-11ガドフライSA-17グリズリーの後継)とS-300VM「Antey-2500(SA-12グラディエーター/ジャイアントの改良型)(SA-X-23)」だが、詳しい性能については不明である。


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