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【S-2】 †
グラマンS-2"
1950年代にアメリカで開発された双発・ターボプロップ艦上対潜哨戒機。
従来、アメリカ海軍において艦載機による対潜哨戒には、旧式化したTBM「アベンジャー」雷撃機などが充てられていたが、第二次世界大戦当時第一線にあった単発レシプロ機のこれらは搭載能力が小さすぎたため、1機で潜水艦の探知・攻撃を行うことは不可能(探知専門の機体と攻撃専門の機体を別々に用意する必要があった)で、コスト・パフォーマンスが悪かった。
これを海軍では「ハンター・キラー・チーム」と呼んでいたが、実際に運用するには「ハンター」「キラー」の2機種の稼働率を同一にしなければならなかった。
しかし、根本から装備が違うため、完璧に同じにすることは不可能だった。
本機はこれらの問題を解決し、1機で探知・攻撃の両方を行える機体としてデビューした。
1952年に原型機が初飛行した本機は、各型合わせて1,284機が生産され、米海軍のみならず日本や台湾、トルコなど各国海軍で使用された。
また、本機をベースとして艦上輸送機・C-1「トレーダー」および早期警戒機・E-1「トレーサー」が作られた。
海上自衛隊では「あおたか」の愛称がつけられ、1957年から1984年まで60機が運用された。
退役後は一部の機体が鹿屋航空基地史料館などに展示されている。
海自が本機を採用したのは、この当時、アメリカが日本に軽空母を無償貸与する ことを提示しており、その搭載機とするためであった。
ちなみにこの計画は、当時の大蔵省(現:財務省)が運用コストを試算した結果、運用が困難と判断されたため沙汰止みになっている。
現在でも米海軍から退役した機体が民間に払い下げられ、消防機として活躍しており、台湾などでは主力対潜哨戒機として現役である。
関連:潜水艦
スペックデータ †
全幅:22.12m
全長:13.26m
全高:13.26m
自重:8,505Kg
全備重量:13,222kg
エンジン:ライト R-1820-WA星型レシプロエンジン(出力1525hp)X2基
最大速度:426Km/h(哨戒速度241Km/h)
上昇率:594m/分
実用上昇限度:6706m
航続距離:1850km、航続時間9時間
兵装:胴体内にMk47爆雷またはMk101核爆雷×1、翼下6箇所に爆雷、魚雷、対艦ミサイル等を搭載可能
乗員:4名