【P220】(ぴーにーにーまる)

SIG / Sauer P220
スイスのSIG?と、ドイツのザウアー?が共同開発した半自動式拳銃
口径は基本的に9mmルガーだが、口径違いのバリエーションも存在する。(参考リンクを参照)

それまでスイス軍で制式採用されていたP210?は高い命中精度を誇っていたが、職人芸による高精度加工で製造されていたため非常に高コストであった。
P220ではコストを低減するため、職人に依らず、NCフライス盤などの自動機械で加工することを主眼に設計された。このため外形はそれまでの拳銃とは異なり、まっすぐな面を組み合わせた単純な形状になっている。後に多くの拳銃がこれに倣ったため、現代型拳銃の始祖ともいえる。
また形状合理化の一環として、排莢口?ティルトバレルロッキング?のロッキングラグを兼ねている。加工を簡略化できるうえ、排莢口?が大型化したことにより回転不良が低減されるという効用もあった。これも後に多くの拳銃が模倣した。

安全装置は、それまでのマニュアルサムセフティ?と異なり、デコッキングレバー?を採用した。これにより簡単な操作で撃鉄?を安全位置へ移動させることが可能になり、かつその状態からでもダブルアクションで射撃を再開することができた。
ただしコックアンドロックを信条とする一部のコンバットシューターからは不評であった。

弾倉の紛失を防ぐため、マガジンキャッチ?は誤って触ることの少ないグリップ底面に配置された。しかしこれは同時に意図的な弾倉交換をも難しくしており、後に欠点のひとつと評価されている。
また、弾倉の装弾数が9発というのも、既に他の拳銃では複列弾倉を採用していたため、見劣りするものであった。
これらの欠点を解消したP226が発表されると、持ち前の高い性能とあいまって広く普及するようになった。
ただしP210?よりも安価とはいえ、他の拳銃よりはまだまだ高価であり、P226の特長を模倣したより安価な拳銃が登場すると、再度市場を奪われた。ただし信頼性を重視する一部のユーザーからは現在も愛用されている。

陸上自衛隊では、P220をミネベアでライセンス生産したものを「9mm拳銃」の名称で採用しているが、なぜ初期型のP220を採用したのかが疑問視されている。
これには「P220の形状が前任のM1911A1?に似ていたため」「弾倉の紛失防止を重視したため」など諸説がある。
一部では「拳銃は自殺用の武器なのだから弾数など要らない」というジョークもささやかれている。

  • P220: 初期型、装弾数9発
  • 9mm拳銃: P220を陸上自衛隊が制式採用したもの
  • P225: P220を若干小型化したもの、装弾数8発
  • P245: P225の.45ACP版、装弾数6発
  • P226: P225のマガジンキャッチ?を移動して操作性を向上、複列弾倉化して装弾数を15発にしたもの
  • M10: P226をアメリカ空軍?が護身用拳銃として採用したもの
  • P228: P226を小型化したもの、装弾数13発
  • M11: P228をアメリカ空軍?が護身用拳銃として採用したもの
  • P229: P228をさらに小型化したもの、装弾数12発

参考リンク:http://www.sigarms.com/products/classic-full.asp
      http://www.jda.go.jp/jgsdf/japanese/soubi/soubi_0/so56.html


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