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【NBC偵察車】 †
2010年に正式採用された、陸上自衛隊のNBC偵察車。
NC(核・化学)兵器対処用の装備である化学防護車と、B(生物)兵器対処用の装備である生物偵察車を一本化する目的で開発された。
主に中央特殊武器防護隊(中央即応集団隷下。埼玉県・大宮駐屯地所在)および第6特殊武器防護隊(東北方面隊第6師団隷下。山形県・神町駐屯地所在)に配備されており、最終的に50両が調達される予定である。
4軸8輪の大型装甲車両で、全長は8mと化学防護車よりも長く、全高も3.2mとなり、NBC兵器分析機器のための車内容積も充分に取られている。
また、96式装輪装甲車と同じく車軸は4軸のうち前2軸の4輪が操舵される機構になっている。
装甲は銃弾や砲弾の破片のみならず放射線も防護でき、さらに対中性子?線・対ガンマ線?用遮蔽器材として鉛プレートで車体全体を囲んでいるが、中性子被曝環境下では車体前部に中性子遮蔽板を取り付ける必要がある。
車内には空気清浄機が取り付けられ、放射線測定器やガス検知器などの他、車体後部右側には汚染された土壌のサンプルを採取するためにマニピュレーターが装備されているが、化学防護車の遠隔操作式から乗員がゴム手袋をしてマジックハンドを伸ばす方式に変更されている。
また、NBC偵察車で収集・解析した情報は師団等指揮システム(FiCs?)や基幹連隊指揮統制システム(ReCs?)とのデータリンクによって、迅速な情報伝達が可能となっている。
武装はM2 12.7mm重機関銃1挺を装備し、73式装甲車や96式装輪装甲車で採用された物と同様に車内からのリモコン操作が可能となっており、乗員を汚染物質の被曝から守る対策がなされている。
スペックデータ †
乗員 | 4名 |
全長 | 8m |
全高 | 3.2m |
全幅 | 2.5m |
戦闘重量 | 約20t |
エンジン | カミンズVTA903 4サイクルV型8気筒液冷ターボチャージドディーゼルエンジン(出力500hp) |
最大速度 | 95km/h(路上) |
兵装 | M2 12.7mm重機関銃×1挺 観測・検知測定機器一式(放射能測定装置、ガス検知器、大気安定度測定装置など) |
製作 | 小松製作所 |