【MT-LB】(えむてぃえるびー)

Mnogotselevoy Tyagach - Lekhko Bronirovannyi(ロシア語で「汎用軽装甲牽引車」の意).

1964年に旧ソビエト連邦で開発された汎用装甲車。
主に野戦砲とそれを扱う砲兵の輸送を目的として設計されたが、装甲兵員輸送車としても用いられた。

PT-76?水陸両用軽戦車BTR-50?水陸両用装軌装甲兵員輸送車の機構を流用している。

核戦争下の運用を想定してNBC防護システムを備える。
また、PKT 7.62mm軽機関銃を備えた小型砲塔(TKB-01)を搭載し、最小限の自衛火力を備えている。
車内ペイロードは2トン(兵員輸送では容積の関係で11名まで)。
加えて、6,500kgまでの物資を牽引でき、これによって牽引砲を輸送する。

スペックデータ

乗員2名+兵員11名
全長6.45m
全高1.92m
全幅2.85m
戦闘重量12.2t
エンジンYaMZ-238 4ストロークV型8気筒液冷ディーゼル(出力240hp)
登坂力70%
超堤高0.61m
超壕幅2.41m
速度
(路上/不整地/浮航)
61.5km/h / 31km/h / 6km/h
行動距離500km
装甲14mm(最大)
兵装PKT 7.62mm機関銃×1挺(携行弾数1,000発)


派生型

  • MT-L:
    試作車。

  • MT-LB(izdeliye 6):
    基本モデル。

    • MT-LBブレード:
      ドーザーブレードを装備した型。

    • MT-LB M1980:
      油圧式ドーザーブレードを装備した型。

  • MT-LBV(vezdekhodnyj):
    寒冷積雪地および沼地踏破用の超幅広履帯を備えた型。車幅565mm。
    BMP装甲車やBTR装甲車の代わりに北極地域で使用される。

  • MT-LBVM:
    機関銃をNSVT 12.7mm機関銃に換装した型。

    • MT-LBV-N:
      機銃4丁を装備する型。

    • MT-LBV-NS:
      機銃10丁を装備する型。

  • MTP-LB:
    砲塔を装備しない技術支援型。

  • SNAR-10「ジャガー」:
    地上監視レーダー車輛。
    探知範囲16kmの1RL-127(NATOコード:ビッグフレッド)レーダーを搭載する大型回転台を装備した。
    NATOではMT-LB M1975やMT-LB SONとも呼ばれていた。

    • SNAR-10M「パンテーラ」:
      アップグレードモデル。
      捜索範囲を40kmに拡大し、システムを自動化した。

  • 9A34自走発射機:
    9K35「ストレラ-10(SA-13)」地対空ミサイルの自走発射機。

  • 9P149「シュトゥールム*1-S」:
    戦車駆逐車型。
    引き込み式の9M114(AT-6『スパイラル』)?対戦車ミサイル単装発射機を搭載する。
    乗員は2名で12基のミサイルを搭載する。

  • RKhM「カシャロット」(razvedivatel'naya khimicheskaya mashina):
    検出、マーキング、警報装置を備えた化学偵察車型。
    2S1の車体形状と単一のリアドアを装備。

  • RKhM-K:
    信号装置を搭載した指揮車仕様。

  • RPM(radiatsionno-poiskovaya mashina):
    放射線偵察車輌型。
    放射線検出装置NGP-81(ガンマ)、KDN-2(中性子)、KRB-1(ベータ)、KRA-1(アルファ)を装備した。

    • K-611/612:
      放射線偵察車型。

  • AZM「ヴォストルグ-1」(aviatransportabel'naya zemlerojnaya mashina):
    油圧式ドーザーブレードとバケット付きの伸縮式油圧アームを備えた工兵車輛。

  • MT-LBu
    拡大発展型。詳しくは項を参照。

  • 2S1「グヴォズージカ」?
    本車のシャーシを使用した自走榴弾砲。詳しくは項を参照。

  • UR-77「メテオリト」:
    地雷処理車型。
    爆導索付きのロケットランチャーを使用する。

  • PBv401(pansarbandvagn):
    スウェーデン陸軍での名称。
    武装としてKsp95とKsp58 7.62mm機関銃を搭載する。


*1 Штурм»:ロシア語で突風、強襲の意。

トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS