【MLI-84】(えむえるあいはちじゅうよん)

MLI-84.
ルーマニア陸軍で運用されている歩兵戦闘車
1984年に制式採用され、1985〜91年にかけて178両が生産された。

BMP-1をベースに車体を延長したものである。
エンジンはソ連製のUTD-20ディーゼルから、ルーマニア製の8V-1240-DT-Sディーゼル(355馬力)に換装され、最大速度は70km/hに向上している。
また、燃料タンクの容量も増大したため航続距離も延長されている。

武装は変更されなかったが、DShK38 12.7mm対空重機関銃が、左後部兵員区画のルーフハッチの上に取り付けられたターレットに搭載された。

1995年からMLI-84Mへの改良が行われ、イスラエル・ラファエル社製のOWS-25Rリモートウェポンシステムの搭載やキャタピラー社製C9エンジン(395馬力)の換装が行われた。

スペックデータ

タイプMLI-84MLI-84M
要員数3名(車長・操縦手・砲手)+兵員8名
全長7.335m
全高2.11m2.942m
全幅3.15m3.30m
重量16.6t17.6t
エンジン液冷ディーゼルエンジン
8V-1240-DT-S
4ストロークV型8気筒
(出力350hp)
キャタピラーC9
4ストローク直列6気筒
(出力400hp)
懸架・駆動方式第1・第6接地輪にそれぞれ油圧式ショックアブソーバーのトーションバー
速度70km/h65km/h
航続距離550〜600km
武装2A28「グロム」73mm低圧滑腔砲×1門
9S415「マリュートカ」対戦車ミサイル発射機×1基
Dshk 12.7mm重機関銃×1挺
PKT 7.62mm機関銃×1挺
RWSに以下の兵装を搭載
エリコンKBA 80口径25mm機関砲×1門
PKT 7.62mm機関銃×1挺
9M14-2T「マリュートカ2T」またはスパイクLR
対戦車ミサイル連装発射機×1基
発煙弾発射機×4基
装甲14.5mm弾から防護可能12.7mm弾から防護可能

派生型

  • MLI-84:
    ルーマニアでのライセンス生産型。
    エンジンが国産の8V-1240-DT-S(355hp)に換装されている。

    • MLI-84M(MLI-84M1とも):
      改良型。
      砲塔をイスラエルのラファエル社製のOWS-25Rリモートウェポンシステムに換装した。
      武装としてスイスのエリコン社製のKBA 80口径25mm機関砲とPKT 7.62mm機関銃を同軸に装備している他、左側面にユーゴスラヴィア製の9M14-2T「マリュートカ2T」もしくはイスラエル製のスパイクLR対戦車ミサイルの連装発射機を備えている。

    • MLI-84M1 Punct de Comanda Batalion:
      大隊指揮車型。砲などの変わりに大型の上部構造となっている。

    • MLI-84M1 Tractor Pentru Evacuare Tehnică:
      装甲回収車型。
      砲塔は、外部から操作する大型3セクション油圧クレーンに置換され、ウインチフレームが車体後部上に取り付けられている。
      車体後部上の左に1つ、車体後部上の右に2つ収納庫が存在する。

    • MLI-84M1 Vehicul de Evacuare Medicală:
      装甲救急車型。
      大隊指揮車に見られるような大型の上部構造を装備している。

    • Md.89:
      MLI-84を延長した車体に2S1「グヴォズジーカ」?122mm自走榴弾砲の砲搭を搭載した自走榴弾砲
      現在、全車が退役し倉庫に保管されている。


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