【M92】(えむきゅうじゅうに)

イタリアのベレッタ社が、M1951?の後継として開発した半自動式拳銃
使用弾薬は9mmパラベラム

M1951?M84?と同様のダブルアクション複列弾倉などを組み合わせた結果、バランスの良い軍用拳銃となった。
ワルサーP38と同じプロップアップ式ショートリコイルを採用した珍しい例。

特出した性能はないものの、コストの低さ*1や使い勝手のバランスが良いため、アメリカ陸軍M1911後継銃トライアルを勝ち抜き、M9の名称で制式採用された。
強度不足の不良品のスライドが混入した為に*2スライド破断事故が発生した後は、スライドが破損しても破片が飛び散らないよう安全対策が施されたM92FSに更新されている(スライド側面が強化されたモデルや、スライド上部の切り欠き自体を排したコピーモデルも存在する)。

アメリカ軍で使用されているほか、映画やアニメ、ゲームなどメディアへの露出も多いため知名度や人気も高く、多数のバリエーションが存在する。
また派生型として、マシンピストル型のM93Rや、10mmショートを使用するM96などが存在する。

スペックデータ

全長全長 217mm
211mm(Vertec)
197mm(コンパクト,Centurion)
銃身長125mm
119mm(Vertec)
109mm(コンパクト,Centurion)
重量950g(92)
970g(92S/SB/F/G)
920g(92D)
900g(コンパクト,Vertec)
使用弾薬9mmパラベラム弾・40S&W弾・9mm×21 IMI弾
装弾数15発(92・98シリーズ)
10発(96シリーズ)
10,13発(コンパクトL)
8発(コンパクトM)
作動方式ダブルアクション・プロップアップ式ショートリコイル
銃口初速365m/s
有効射程50m


派生型

  • M92:初期モデル。
  • M92S:M92の安全装置をスライドに移したモデル。
  • M92SB:M92Sのマガジンキャッチを、グリップのトリガーガード付け根に移したモデル。
  • M92F:M92SBのトリガーガード前方に指掛けを追加し、マガジン底を分厚くしたモデル。
    米軍制式拳銃としてM9の名称で採用された。
    • M9A1:アメリカ海兵隊の要請で、アクセサリー用マウントレールを追加したモデル。
  • M92FS/FS Inox:スライドの破損事故を受けて、ハンマーピンの頭を大型化しスライドに食い込ませる対策を施したモデル。Inoxはステンレスモデルである。
  • M92FS Vertec/Vertec Inox:M92FSの特殊部隊・法執行官モデル。
    グリップ後部の膨らみを無くし、握りやすくしたほか、全長の短縮化やマウントレールの設置といった改良が施されている。
  • M92FS Brigadier/Brigadier Inox:強装弾対応モデル。ブリガディアスライドを装備。
  • M92 Compact L:M92のコンパクトモデル。装弾数10+1発。
  • M92D/DS:ダブルアクションオンリーモデル。DSはマニュアルセイフティがない。
  • M96:.40S&W弾モデル。装弾数は10+1発。
  • M98:9mm IMI弾モデル。
  • M98F:.30 Lugerモデル。
  • M99:7.65mm Lugerモデル。装弾数8発。
  • 90-Two:M92の後継発展型。詳細は90-Two?を参照。


*1 軍への納入価格が安いだけで、普通に買うとそれなりの値段である。
*2 イタリアで生産、納入されたもの

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