【M61A1】(えむろくいちえーいち)

General Electric M-61.
旧西側陣営各国の航空機が搭載する標準的な20mm機関砲
一般的には「バルカン砲」とも呼ばれる。
また、アメリカ空軍では制式名として「GAU-4」と呼ばれているが、あまり使われていない。

6つの銃身を円形に束ねたガトリングガンで、1秒間に最大100発の銃弾を発射することが可能。

ベトナム戦争によりミサイリアー構想が間違っていたことが判明し、その反省から1960年代以降に設計された米国製戦闘機のほぼ全てに搭載されている。
また、本砲をベースとして、艦艇防空用のCIWSファランクス」や野戦防空用のVADSヘリコプター搭載用に3銃身化されたM197などといった派生型も作られている。

性能諸元

口径20mm
砲身数6砲身
全長1.88m
直径0.34m
砲身重量114.5kg
全備重量298kg
機構油圧駆動・電気雷管式撃発
発射速度4,000発/分または6,000発/分
(最大7,200発。試験的に行った記録では12,000発)
砲口初速1,036m/秒
有効射程距離約810m(航空機による空対空射撃)
/ 約1,490m(CIWS等による地対空射撃)
弾種M56榴弾
M56A1焼夷榴弾
M53・M53A1徹甲焼夷弾
PGU-28半徹甲焼夷榴弾 APDSファランクスCIWS)など


派生型

  • M61:
    初期生産型。

  • M61A1:
    給弾機構に改良が加えられたタイプ。

  • M61A2:
    長砲身化やスピンアップ時間の短縮などの改良が施されたタイプ。F-22に搭載。

  • M168:
    地上運用を前提に補機などの構成を調整した型。

  • M197:
    ヘリコプター搭載用に砲身を3本に減らして軽量化したタイプ。

  • M134
    M61A1を基に小型・軽量化した7.62mmバージョン。別項を参照。

  • バルカン・ファランクス
    艦載用CIWS。別項を参照。

  • VADS
    M168とレーダー射撃管制装置を組み合わせた野戦防空用対空機関砲システム。
    別項を参照。

  • JM61M:
    海上自衛隊の機雷戦艦艇や輸送艦艇に搭載する*1ため、住友重機械でライセンス生産されたタイプ。
    給弾・発射を人力操作にした他、発射速度を毎分450発に落としている。

    • JM61RFS:
      遠隔操作型。
      しきしま型巡視船や1号型ミサイル艇に搭載された。

    • JM61RFS Mk2:
      より射撃精度を向上させたRFS*2と連接される型。
      海上保安庁の艦艇に広く配備されている。

      m61a11.jpg

*1 掃海艇などの機雷戦艦艇では海面に浮かんできた機雷を爆破処理するため、輸送艦艇では自艦護衛用に備えている。
*2 Remote Firing System:海上保安庁が使用する、射撃指揮システム(FCS)の一種。

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