【M2】(えむつー)

  1. 12.7mm重機関銃M2
    ブローニングM2を参照。

  2. M2カービン
    M1カービン?に30発の箱型弾倉を採用し、フルオート能力を付与した改良型。
    突撃銃に近い性格のものだったが、性能が中途半端だったため、少数が生産されただけで製造は打ち切られた。

  3. FFV M2 Karl Gustav
    スウェーデン製の携帯型無反動砲
    カールグスタフを参照。

  4. M2(M101)105mm榴弾砲
    アメリカ陸軍第二次世界大戦からベトナム戦争にかけて使用された榴弾砲
    第一次世界大戦中に採用されたフランス製M1897 75mm野砲の後継として、1941年に採用された。
    主に陸軍と海兵隊師団砲兵に配備されたが、ベトナム戦争の最中に、より軽量なM102 105mm榴弾砲?に更新されて退役している。

    本砲は大戦中から大戦後にかけて連合国や西側陣営の国に多数が売却ないし供与された。
    陸上自衛隊においては米軍供与品を「105mm榴弾砲M2A1」の名称で155mm榴弾砲M1と共に野戦特科部隊に配備されていた。
    また、国産のデッドコピーである58式も並行配備されていた。
    現在では120mm迫撃砲 RTや75式自走155mmりゅう弾砲FH70の配備により一線から退いているが、関東補給処において少数を礼砲、及び音楽隊の「序曲1812年」演奏*1用として保有している。

    性能諸元
    口径105mm
    全長5.9m
    砲身長2.36m(22.5口径)
    全高1.73m
    全幅2.21m
    重量2,300kg
    要員数10名
    砲尾水平鎖栓式
    反動液気圧式
    砲架開脚式
    仰角-5°〜+65°
    旋回角左右に23°ずつ
    砲弾105×372mmR
    (半完全弾薬筒(分離薬莢)式、NATO標準規格。)
    発射速度16発/分(最大)
    100発/時(連続射撃時)
    初速472m/秒
    有効射程約11,160m(榴弾
    製造社ロック・アイランド造兵廠(アメリカ)
    日本製鋼所、神戸製鋼所(日本)

    【派生型】
    • 58式105mm榴弾砲:
      陸上自衛隊向けデッドコピーモデル。

    • C1:
      カナダ陸軍向け。
      • C3:
        C1の改良型。
        砲身の延長やマズルブレーキを追加し、射程を延伸させている。

    • M56:
      ユーゴスラビア製。
      砲口にマズルブレーキが装着されており、防盾の形状も異なる。

  5. M2 60mm迫撃砲
    アメリカ軍が第二次世界大戦からベトナム戦争にかけて使用した軽迫撃砲。
    第二次世界大戦以降も、1942年に制式採用された60mm迫撃砲M19と共に朝鮮戦争やベトナム戦争で使用された。

    性能諸元
    口径60mm
    砲身長726mm
    重量19.05kg
    仰角+40度から+85度
    射界左右7度
    初速158m/s
    弾薬重量1.33kg
    最大射程1,815m
    最大発射速度18発/分

  6. M2 107mm迫撃砲
    アメリカ軍が第二次世界大戦頃より使用していた重迫撃砲。
    M1 107mm迫撃砲の改良型で射程距離が大幅に延伸されている。
    また、迫撃砲としては珍しく砲身内にライフリングがあり、使用する砲弾も後部に安定翼が無く榴弾砲用の砲弾と変わらない形状をしている。

    陸上自衛隊でも、107mm迫撃砲(初期には4.2インチ迫撃砲とも)として採用しており、普通科連隊の重迫撃砲中隊が運用していた。

    アメリカ陸軍では朝鮮戦争終結まで、陸上自衛隊では120mm迫撃砲 RTに更新されて退役した。

    性能諸元
    口径107mm
    砲身長1,285mm
    重量砲身:47.6kg
    底板:77kg
    計161kg
    俯仰角45〜60度
    旋回角左右7度
    最大射程500〜4,000m
    速度20発/分(最大)
    5発/分(持続)
    砲員数6名
    製作豊和工業ライセンス生産、米軍供与分も有り)

    使用弾薬
    種類型番重量内容物初速射程
    榴弾HE M3 Shell11.1kgTNT
    (3.64kg)
    256m/s4,023m
    発煙弾WP M2 Shell11.57kg白燐弾250m/s3,932m
    化学兵器H M2 Shell-マスタードガス(HD)(2.7kg)
    または
    マスタードガス(HT)(2.6kg)
    --

  7. MGM-5「コーポラル」?短距離弾道ミサイルのアメリカ陸軍での名称。

  8. M2ハーフトラック
    第二次世界大戦中に開発されたアメリカ軍の半装軌装甲車。
    4,000両近くが生産されており、派生型として装甲兵員輸送車型のM3や対戦車自走砲型(M3A1)、自走対空砲型(M15/M16)がある。

  9. M2軽戦車
    1935年に開発されたアメリカ陸軍戦車
    T1戦闘車をベースとして1933年に開発されたT2軽戦車に更にいくつか改良を加え、M2A1軽戦車として制式化された。
    特に目立った特長はない平凡な作りではあったが、エンジン、サスペンション、キャタピラなどは後にアメリカで開発・生産された全ての軽戦車、中戦車に踏襲されるものとなり、本車がアメリカ戦車のスタイルを確立したと言っても過言ではない。

    M2軽戦車はM2A1〜A4まで4種類が開発され、第二次世界大戦ではほとんどが訓練用に使用されたが、M2A4軽戦車の一部は、太平洋戦線の初期やガダルカナル島の戦いで、実戦に投入されている。
    また、レンドリース法成立に伴い、初めてイギリスに供与された戦車にもなった。
    イギリスではM3?軽戦車と同じく「スチュアート」の愛称で呼ばれた。

    性能諸元
    乗員4名
    全長4.43m
    全高2.65m
    全幅2.47m
    重量11.6t
    懸架方式垂直渦巻スプリング・サスペンション(VVSS)
    エンジンコンチネンタルW-670-9A 空冷星型7気筒ガソリンエンジン(最大出力262hp/2,400rpm)
    速度58km/h
    行動距離320km
    装甲6〜25mm
    主砲M5 53.5口径37mm戦車砲×1門(砲弾数103発)
    副武装ブローニングM1919A4 7.62mm機関銃×5挺(銃弾数8,470発)

    【主なバリエーション】
    • T2E1:
      試作軽戦車T2シリーズの発展型。
      後にM2A1として採用された。

    • M2A1:
      初期生産型。
      砲塔2基を、左右並列配置(M2機銃1挺装備のキューポラ付きの左砲塔が車長兼機銃手、M1919A4機銃1挺装備のキューポラ無しの右砲塔が機銃手)で搭載している。
      砲塔には12.7mm機銃×1門と7.62mm機銃×1門を搭載したほか、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備。

    • M2A2:
      二つの砲塔を持つモデル。
      左右の砲塔に1丁ずつ機銃を搭載した。
      • M2A2E1:
        試験用車両。
        ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載した。
      • M2A2E2:
        試験用車両。
        改良型サスペンションを搭載した。
    • M2A2E3:
      試験用車両。
      誘導輪を接地式とし、GM製ディーゼルエンジンを搭載した。

    • M2A3:
      A2の装甲強化型。
      装甲強化のほか、転輪間を長くし接地面積を拡大、サスペンションを改良している。
      双砲塔型で、左砲塔に12.7mm機銃×1門、右砲塔に7.62mm機銃×1挺を、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備している。
      • M2A3E1:
        試験用車両。
        ギバーソン・ディーゼルエンジンを搭載。
      • M2A3E2:
        試験用車両。
        試作の電動型変速機を搭載。
      • M2A3E3:
        試験用車両。
        M2A3をベースに、M2A2E3と同様の改修が加えられた。

    • M2A4:
      最終生産型。
      一つの大型砲塔を搭載、主砲は37mm戦車砲*2、副武装に7.62mm同軸機銃を、車体前部右側に7.62mm前方機銃を装備している。
      また、この型から車体左右袖部のスポンソン前面に7.62mm機銃を固定装備として追加しているほか、砲塔上面に7.62mm機銃を選択装備できるようにした。

    • スチュアート(Stuart):
      英国に供与されたM2A4に付けられた名称。

  10. M2中戦車
    1938年に開発されたアメリカ陸軍の戦車。
    戦車創成期において試行錯誤が繰り返されながらようやく戦車の形となった。
    開発中はT5試作中戦車と呼ばれ、既に制式化されていたM2軽戦車と部品を共通化する事が求められたため、構造的には若干古臭いものとなった。

    武装は、全周旋回式砲塔にM3 56口径37mm対戦車砲と、M1919A4 7.62mm機関銃を同軸に装備し、車体左右にもM1919A4を合計4挺配置、さらに対空用にもう1挺装備した結果、6挺もの機関銃を装備していた。
    さらに、M2中戦車として制式化され量産型になると2挺追加されることとなり、合計8挺の機関銃を持つ戦車となった。
    全方向に機関銃で弾幕を張るという野心的なものであったが、重武装の割りには実力がまったく伴わず、実用性は低かったと言う。

    その後、装甲とエンジンを強化したM2A1中戦車が第二次世界大戦におけるヨーロッパ戦線に投入されようとしたが、ドイツの戦車にはまったく歯が立たないことが判明し、100両弱が生産されたところで中断。
    1941年6月には後継となるM3中戦車の引き渡しが開始されたため、M2A1中戦車はその存在意義を失い、訓練用としてわずかに使用されただけであった。

    性能諸元
    乗員6名
    全長5.385m
    全高2.845m
    2.743m(M2A1)
    全幅2.616m
    全備重量17.246t
    18.74t(M2A1)
    エンジンライトR-973 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン(最大出力350hp/2,400rpm)
    ライトR-975-EC2 4ストローク星型9気筒空冷ガソリンエンジン(最大出力400hp/2,400rpm)(M2A1)
    最高速度41.84km/h
    行動距離200km
    主砲M3 53.5口径37mm対戦車砲×1門(砲弾数200発)
    副武装M1919A4 7.62mm機関銃×8挺(銃弾数12,250発)
    装甲厚6.35〜28.58mm
    6.35〜31.75mm(M2A1)

    【バリエーション】
    • M2:
      初期生産型。18両が生産された。

    • M2(E-2火焔放射器搭載型):
      主砲部にE-2火焔放射器を搭載した火炎放射戦車の試作車。

    • M2A1:
      改良型。
      エンジン過給器を装備したライトR-975C1 星形空冷エンジンに変更した。
      また、M3軽戦車の砲塔が流用され、装甲も厚くなった。
      94輌が生産された。

  11. M2 Bradley(ブラッドレー)
    アメリカ陸軍の現用主力歩兵戦闘車
    詳しくはM2(歩兵戦闘車)の項を参照。

*1 楽譜上に楽器として「大砲」の使用が指定されており、クライマックスでは空包が発射される。
  なお、通常のコンサートホールでの演奏ではバズドラムなどで代用されることもある。

*2 対戦車砲を流用しているため、砲身下の駐退復座機が露出している。

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