【M1903】(えむいちきゅうまるさん)

  1. スプリングフィールドM1903
    アメリカ軍が20世紀はじめに制式採用したボルトアクション式小銃
    開発・生産はスプリングフィールド兵器廠が担当した。

    性能面では特筆すべきことはあまりない。
    だが、二度の世界大戦、さらに戦後も狙撃銃モデルが使用された、非常に息の長い小銃である*1
    第二次世界大戦の時点で後継のM1ライフルが採用されていたが、全軍への配備には当然時間が掛かるもので、結局は終戦までも第一線で使われ続けたうえ、ベトナム戦争朝鮮戦争でも狙撃用途に用いられた。
    セミオートで連射が可能なM1と比べると、手動連発式の本銃は旧式めいた印象を受けるが、長距離の射撃ではM1より高い遠射性能を発揮したようだ。

    スペックデータ
    全長1,115mm
    銃身長610mm
    重量3.9kg
    装弾数5発(箱型弾倉・クリップ)
    使用弾薬.30-03スプリングフィールド・.30-06スプリングフィールド
    作動方式ボルトアクション
    発射速度15発/秒
    銃口初速823m/秒

    【バリエーション】
    • M1903:
      S型銃床の基本型。
      • M1903(1905年):
        銃剣をナイフ型に変更し、照準装置を1905年式に変更したモデル。
      • M1903(1906年):
        使用弾薬をM1906 .30-06弾に変更したモデル。
      • M1903 Mk.1:
        特殊用途型。
        ピダーセンデバイス*2が取り付けられている。

    • M1903A1:
      C型銃床の改良型モデル。

    • M1903A2:
      A1またはA3をベースにした、砲兵の縮射用モデル。
      大口径火器の銃身に配置し、その小銃弾を砲弾に見立てての射撃訓練に使われた。

    • M1903A3:
      A1にプレス加工を取り入れたモデル。

    • M1903A4:
      A3にM73またはM73B1(2.2倍スコープ)などを取り付けた狙撃用モデル。

    • M1941:
      A1にユナートル製7.8〜10倍スコープを装備した狙撃用モデル。

  2. コルトM1903
    アメリカのコルト社が設計・製造した自動拳銃
    「コルト.32オート」の名で知られる。

    ハンマーがスライドに内蔵されており、マニュアルセフティとグリップセフティの二つの安全装置を持つのが特徴。
    しかし、初期に生産された型*3は安全装置が設けられていなかった事や撃鉄内蔵型でローディングインジケータがなく、薬室への充填状況が確認しづらい事もあり、暴発事故が多発した。

    主に、第二次世界大戦時の高級将校や航空搭乗員の護身目的などで使用された。
    また、小型で携行しやすいこと、撃鉄内蔵型であるために銃を隠し持ち、有事に抜き撃ちをする必要性から、諜報員や工作員にもよく使用されたといわれる。

    スペックデータ
    口径.32口径(7.65mm)(M1903)
    .38口径(9mm)(M1908)
    全長205mm
    銃身長127mm
    重量930g
    作動方式ストレートブローバック
    使用弾薬.32ACP弾(M1903)
    .380ACP弾(M1908)
    装弾数8+1発(M1903)
    7+1発(M1908)

    【派生型】
    • コルトM1908:
      .380ACP弾を使用する型。


*1 儀仗用としてなら今尚現役。
*2 .30口径拳銃弾を連射できる装置。
*3 製造番号468096まで。

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