【HMMWV】(はんびー)

M998四輪駆動軽汎用車。
High Mobility Multi-purpose Wheeled Vehicle(高機動多用途装輪車両)の略。
1/4トントラックやM151MUTT ケネディジープ(双方ともいわゆるジープタイプの車両)といった小型四輪トラックの後継として、1985年に採用された。

その名の通り優れた機動性を持ち、例え1輪がパンクでも時速50km弱、2輪がパンクしても時速30kmで走行可能であり、強固なフレーム、無駄のない形状で不整地や急斜面でも容易に走行不能に成らない様に設計されている。
また渡河も深さ1m強ならば可能であり、正に万能の車両と言える。

追加装備としてブローニングM212.7mm重機関銃を装備し、改良型のM1025、M1043/M1044ではM2に加えMk.19グレネードランチャー、M240汎用機関銃M249ミニミ軽機関銃が追加された。
イラクではM134を装備した車両も確認されている。

イラク戦争?においては地雷やIDE?(民間でも製作できる安価な手製爆弾)に対する脆弱性が露呈したため、現在では増加装甲キットの配備・取り付けやMRAP(エムラップ、耐地雷待ち伏せ防護車両)への置き換えが進んでいる。
この増加装甲を取り付けた車両は「アップアーマード・ハンビー」と呼ばれている。 また、多用途という面でもそのバリエーションは多岐にわたり、近年採用されたLOSATや、アベンジャーSAMの発射機としても利用されているほか、イスラエル国防軍では独自に装甲強化改造を施したタイプがある。
すでに7万台以上が生産、引き渡しされ、アメリカ軍にとって無くてはならない車両となっている。

なお、本車は民間向けにも「HUMMER(ハマー)H1」の名で販売されていた時期があり、基本的には同じ車であった。
ただし、後継の「H2」および「H3」は本車とは異なる車輌である。*1


主な形式

  • M56 コヨーテ
    発煙機搭載型。

  • M966TOW
    TOW対戦車ミサイル装備、装甲強化型としてM1045、ウインチ増備型としてM1036がある。

  • M998/A1/A2
    標準型。傷病兵搬送用の救急車タイプとしてM996(担架2台または負傷者6名搭載可)、M997(担架4台または負傷者8名搭載可)、M1035(非装甲タイプ)がある。

  • M998 HMMWV Avenger
    アベンジャーシステムを搭載する対空車両型。

  • M1025"Armaments Career"
    M2重機関銃M249MINIMI自動擲弾発射機などを選択装備可能。ウインチ装備型としてM1026、装甲強化型としてM1043・M1044(ウインチ装備型)がある。

  • M1037
    指揮通信車型。

  • M1038
    貨物・兵員輸送型。ウインチを増備。

  • M1069
    M119 105mm牽引榴弾砲トラクター。

  • M1097HHV
    M998の改良型。
    車体が大型化し、積載量が増加している。

hmmwv.jpg

Photo: U.S.Army


*1 この経緯は日本の高機動車と似ているが、あくまでも偶然の一致でしかない。

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