【F-117】(えふひゃくじゅうなな)

Lockheed F-117 Nighthawk(ナイトホーク)
ロッキード・マーチン社のスカンクワークスが設計・開発したステルス攻撃機。なおNighthawk(ナイトホーク)の名は非公式。
レーダーによって探知されることを防ぐために直線のみで構成された独自の形状をもち、レーダー等の電波を出す機器を必要最低限(通信機など)しか搭載していない。
さらに、赤外線探知を避けるために、ジェット排気を外気と混ぜて排出するなどの対策が採られている。

従来のレーダーに殆ど映らない利点を活かし、湾岸戦争では先陣を切って中枢施設に対する夜間攻撃を行い、全機帰還という快挙を成し遂げた。
誘導爆弾を使用したピンポイント爆撃?という言葉を世間に広めたのもこの機体である。

形式記号に「戦闘機」を示すFナンバーがついていることから、俗に「ステルス戦闘機」と呼ばれることも多いが、実質的には対地攻撃専門機である。
これは、米空軍では基地や橋梁といった「固定地上目標に対する攻撃」を「敵戦闘機に対する攻撃」と同様に「空中戦闘任務」と定義しているためである。
そのため、本機と同様に実質上攻撃機であるF-111F-16にもFナンバーが割り振られている。
(なお、同じ攻撃機でもA-10AC-130がAナンバーなのは、敵地上部隊を主目標とするCASを主任務としているからである)

自己防衛用のAIM-9を搭載することが可能であるが、これは抑止力的意味合いが強く、実際に装備することはほぼ無いと言っても過言ではない。
また、その高いステルス性を活かし対AEW撃墜に用いられるという説があるが、そのような運用は行われないと思われる。

本機は今後、任務をF-22に譲り、2008年をもって全機退役する予定である。

f117.jpg

Photo: USAF


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