【CF-105】(しーえふひゃくご)

CF-105 Arrow(アロー)
1950年代にカナダで開発された超音速戦闘機。

ソビエトの戦略爆撃機を迎撃する戦闘機として、1953年に開発が始まり、1958年に試作機が初飛行した。

世界で始めてフライバイワイヤーを実用化した機体であり、ペイロード爆撃機並に大きく、最大でAIM-7を6発、またはAIM-4を12発搭載できるほか、爆弾対艦ミサイルを装備すれば対地攻撃や対艦攻撃も行うことも可能と、後年の「マルチロールファイター」と呼ばれる機体にもなりうるポテンシャルを秘めていた。
また、ターボジェットエンジンを双発で搭載し、無尾翼デルタで23mを越す大型の胴体には大量の燃料を搭載できるため、マッハ1を最大2.5時間も維持することが可能だった。

しかし、価格が高騰し*1、そしてアメリカ政府の圧力を受けたため、開発は中止され、数機の試作機と設計書類はすべて処分された。

なお、ソ連のMiG-25の開発にはスパイによって盗まれた当機のデータが役立てられた。

スペックデータ

乗員:2名
全長:24.64m
全幅:15.242m
全高:6.47m
エンジン:P&W J75 ターボジェットエンジン(推力5,670kg)×2基
総重量:31,077kg
最大離陸重量:31,077kg
最大速度:マッハ2.3以上(試験飛行時の最高記録)
戦闘行動半径:740km
武装:固定武装なし、胴体内にAIM-4 ファルコン8発またはAIM-7スパロー4発を搭載可能。


*1 当時の日本円に換算して1機あたりの価格は34億円以上だった

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