【BMP-1】(びーえむぴーいち)

旧ソ連が開発した歩兵戦闘車
「歩兵戦闘車」という新たな装甲戦闘車両の分野を生み出した車両である。

車体は舟型形状で、車高を低く抑えて正面面積を減らし被弾率を下げ、また大きく傾斜させることで避弾経始を良好にしている。また、水上航行時の安定性を向上させている。
後部には小さな銃眼(ガンポート)が設けられており、輸送されている兵士も小銃を突き出して発砲、戦闘に参加できる。

主武装は2A28 73mm低圧滑腔砲と9M14「マリュートカ」(AT-3「サガー」)対戦車ミサイル、副武装に7.62mm機関銃を持つ。
主砲の2A28の砲弾には、少量の装薬で発射された後にロケットブースターで加速される榴弾(HE)および対戦車榴弾(HEAT)が用いられた。
これらの搭載兵装により、兵士が降車した後もその場に留まって有効な火力支援を行うことが可能になっている。

これらの点で本車は、従来の兵員輸送車両に比べて非常に画期的とされ、その登場時には所謂「BMPショック」を各国にもたらした。

ソ連軍の歩兵部隊は本車を実戦配備することで「自動車化狙撃兵」とも呼ばれることになった。
また、後にドイツ・アメリカ・日本などの旧西側諸国が「マルダー」「M2ブラッドレー」「89式装甲戦闘車」などを開発するきっかけともなった。

ソビエト連邦・ロシアの友好国に対する輸出も行われ、配備している国は今も多い。また1990年代に入ってからは中国で「86式歩兵戦闘車」としてライセンス生産も行われている。


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