【An-2】 †
Antnov An-2.
旧ソビエトのアントノフ設計局がOKA-38「アーイスト(フィゼラーFi-156「シュトルヒ」?のデッドコピー)」やポリカルポフPo-2?の後継として設計・開発した小型輸送機。
愛称は"
NATOコードでは"
現役の複葉機としては最大の機体で、旧式設計だが頑丈さと扱いやすさを第一に設計されているため、未整備の滑走路で離着陸できるほか、整備性・安定性に優れている。
1947年に原型機が初飛行して以来、東側諸国を中心に多数が運用され、ポーランドや中国でのライセンス生産を含め約17,000機が生産された。
ベトナム戦争やクロアチア紛争では、本来の輸送任務のほか、爆撃機や電子戦機としても運用された。
スペックデータ †
乗員 | 1〜2名+12名 |
全長 | 12.40m |
全高 | 4.10m |
全幅 (上翼/下翼) | 18.2m/14.2m |
機体重量 | 3.3t |
最大離陸重量 | 5.5t |
エンジン | シュベツォフ ASh-62 空冷星型9気筒(出力1,000hp)×1基 |
速度 (最大/巡航) | 253km/h / 185km/h(50km/hでも飛行可能) |
実用上昇限度 | 4,500m |
航続距離 | 845km |
最大搭載量 | 1,240kg |
派生型 †
- ソ連(アントノフ設計局)製
- SKh-1:
アントノフ設計局成立以前の当機の呼称。
“Skh-1”とはロシア語で「農業経済1号」の略。
- An-2F:
軍用観測機型の試作型。
胴体中央部がガラス張りで、上翼後方に自衛用に7.62mm機関銃を装備した銃塔を搭載する。
- An-2L:
消防用機型。翼下及び胴体下に消火用薬品の入ったポッドを搭載する。
- An-2P:
旅客機型。
座席の代わりに容量1,240Lの水タンクを搭載できる消防用機型も存在する。
- An-2S:
農業機型。薬剤散布装置を搭載し、主脚がP型よりも延長されている。
- An-2V:
主脚を双フロートに変更した水上機型。プロペラ直径を短縮している。
- An-2E:
An-2Vより改造されたWIG(地面効果翼機)試験型。
主翼を低翼形式の大型一枚翼に交換している。
- An-2ZA:
高々度気象研究機型。
垂直尾翼前に観測員席を追加し、機首右舷に排気タービン過給器、左舷に中間冷却機を追加している。
An-6“Meteo”とも呼ばれる。
- An-3:
エンジンをTVD-20ターボプロップに変更し、それに合わせて機首を再設計した機体。
- SKh-1:
- ポーランド(PZL)製
- An-2(G*2):
地球物理調査機型。
任務に合わせて機体毎に搭載機材や機体形状が異なっている。
- An-2(P*3):
航空写真測量機型。
測量写真撮影用の航空カメラを装備している。
- An-2M:
T型ベースの水上機型で、An-2Vと同等の機体。
- An-2P:
旅客機型。
アントノフ製のAn-2Pと同等の機体だが、改良型プロペラを装備している。
- An-2PK:
5名分の単独座席を装備した要人用輸送機型。
- An-2PRTV:
電波中継機型。
ラジオ及びテレビ放送用電波の中継装置を搭載している。
- An-2R:
農業機型。
気密操縦席を装備し、薬剤もしくは肥料散布が可能。
- An-2S:
担架6台と医療要員を搭載できる病院機型。
- An-2T:
貨物輸送用の基本型。
- An-2TD:
落下傘降下部隊搭乗用に折り畳み式座席(12席)を装備した機体。
- An-2TP:
TD型をベースにした民間用旅客/貨物兼用機。
- Lala-1:
ターボファンエンジンの搭載実験機。
胴体後半部をトラス構造のブーム型に変更し、尾翼も一枚の水平尾翼の両端に小型の垂直尾翼の付いた双尾翼形式に変更している。
- An-2(G*2):
- 中国製