【AN/APG-66】(えーえぬえーぴーじーろくじゅうろく)

アメリカ合衆国のウェスティングハウス社で開発された航空機搭載用FCSレーダー。
Xバンドの電波帯を用いるパルスドップラーレーダーである。
1970年代に開発され、1978年から配備されている。

F-16A/BA-4の他、対水上モードを搭載するなど日本で独自に改良したAN/APG-66JがF-4EJ改に搭載されている。

ちなみにAN/APG-66Jにて追加された対水上モードは、周波数アジャリティによるクラッターの抑制を行う『SEA1』と、高クラッター時に用いられるモードで、移動目標探知により目標を探知する『SEA2』である。

スペックデータ

バンド帯C/Xバンド
形式プレーナアレイ・アンテナ
素子スロットアンテナ
方位角?±10°/±30°/±60°
仰俯角?±60°
パルス繰返数10〜15MHz
探知距離最大探知距離(対大型機):80nm。
ルックダウン時(対戦闘機):20nm〜30nm程度。
ルックアップ時(対戦闘機):25nm〜40nm程度。
AN/APG-66JのSEA1モード時:80nm以内。
SEA2モード時:20nm以内。
所要電力3.58KVA
重量98〜134kg(構成に応じて)
レーダー容積0,1立方メートル未満
製造ウェスティングハウス


バリエーション

  • AN/APG-66:
    原型モデル。F-16A/Bに搭載。

  • AN/APG-66(V)1:
    連続波(CW)照射能力を付与し、AIM-7「スパロー」AAMの運用に対応したモデル。
    空軍州兵F-16ADFに搭載。

  • AN/APG-66(T47):
    麻薬密輸任務監視用モデル。
    セスナOT-47B(セスナ・サイテーションの軍用モデル)に搭載。

  • AN/APG-66(V)2:
    性能向上型。
    レーダー出力が高出力化され、レーダー信号処理能力や信頼性が向上、クラッターやジャミング影響下における捜索範囲も83kmに拡大している。

    • AN/ARG-1:
      アルゼンチン空軍のA-4AR「ファイティングホーク」に搭載されているモデル。

    • AN/APG-66(V)2A:
      性能向上型。
      AIM-120「AMRAAM」の運用が可能になり、グラウンド・マッピングモードの表示解像度が4倍になったほか、TWSモードも追加されるなど、AN/APG-68?の初期型に匹敵するレベルまで向上している。
      ベルギー空軍、デンマーク空軍、オランダ空軍、ノルウェー空軍のF-16A/B(近代化改修型)に搭載。

  • AN/APG-66(V)3:
    APG-66(V)2に連続波(CW)照射能力を加えたモデル。
    台湾空軍のF-16A/Bのほか、アメリカ海軍P-3哨戒機改装型に搭載され、沿岸警備隊の麻薬密輸阻止任務にあてられている。

  • AN/APG-66H:
    BAEホーク200?に搭載。
    小型アンテナに変更したため、機能が制限されている。

  • AN/APG-66NT:
    飛行士官訓練用。
    アメリカ海軍T-39N?に搭載。

  • AN/APG-66NZ:
    ニュージーランド空軍のA-4スカイホークに搭載。
    カフ計画による。

  • AN/APG-66SR:
    洋上哨戒機向け。開発中止。

  • AN/APG-66SS:
    詳細不明。

  • AN/APG-66T:
    F-5戦闘機搭載用に開発されたモデル。

  • AN/APQ-164:
    アメリカ空軍のB-1戦略爆撃機用に設計されたモデル。
    列線交換ユニットを共有している。


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