【A320】(えーさんにーまる)

Airbus A320.

1980年代半ばにエアバスインダストリーが開発した中型の双発旅客機
旅客機としては世界で初めてフライバイワイヤーサイドスティックを搭載した機体である。
また、機体が構造的および力学的な限界を超え、飛行が可能な領域を逸脱することが絶対起こらないようにするための保護を加えるなどの配慮も行き届いており、これは同社のA330以降の製品にも導入されている。

このように、本機は画期的な設計で航空業界に新風を巻き起こしたが、就航して間もなく、ハイテク化の進んだシステムを使いこなすことができなかったために、幾度か墜落事故を発生させたこともある。

また、このクラスの狭胴機としては珍しく、広胴機用の貨物コンテナを搭載可能である点も特長とされる*1

現在までに各型合わせて8,000機以上が生産され、これはジェット旅客機としてはボーイングB737シリーズに続く第2位の記録である。

関連:B737 DC-9

20060617a320starflyer.jpg
参考リンク: http://www.airbusjapan.com/aircraft-families-jp/passengeraircraftjp/a320family0/

A320neo

2010年に発表された、本機の近代化・省燃費改良型モデル。
ボーイング社製のライバル機・B737NGへの対抗策として開発された。
エンジンには、CFMインターナショナル「Leap-X」または P&W「PW1100G」のいずれかを選択可能となっている。
長胴型のA321および短胴型のA319についても「新型エンジン搭載によるneo化新造機の量産」が行われている。

B737NGが、従来のA320シリーズよりも省燃費であることをセールスポイントにした事への対抗策として本機が発表されたが、対するB737陣営も更なる省燃費を追求した「737MAX」を発表している*2

主なオペレーター

など

スペックデータ

形式A320A321A319A318
乗員2名(機長副操縦士
乗客
(2クラス)
150名185名124名105名
全長37.57m44.51m33.84m31.44m
全高11.76m12.56m
全幅34.09m
胴体幅外部:3.96m
内部:3.70m
基本空虚重量41t47.7t40.1t38.4t
最大離陸重量73.5t83t64t59t
エンジンバイパス比ターボファン×2基
CFMインターナショナル CFM56-5
IAE*3 V2500P&W PW6000
エンジン推力22,000〜27,000lb30,000〜33,000lb22,000〜27,000lb21,600〜23,800lb
最大燃料搭載量23,860L23,700L23,860L
貨物搭載量バルク37.41m³
+
LD-3-46/46W×7台
バルク51.76m³
+
LD-3-46/46W×10台
バルク27.46m³
+
LD-3-46/46W×4台
バルク21.21m³
巡航速度M0.82
航続距離4,900〜5,700km4,350〜5,600km3,300〜6,800km3,300〜6,000km


タイプA319neoA320neoA321neo
乗員数2名
乗客数
(2クラス)
140名160名206:16J@36in + 190Y@30in
乗客数
(1クラス(最大))
160名195名@27in240名@28in
座席幅46cm(エコノミークラス、6アブレスト)
キャビン3.7m
貨物容量27立方メートル37立方メートル51立方メートル*4
全長33.84m37.57m44.51m
全高11.76m
翼幅35.80m
運用空虚重量42.6t44.3t50.1t
最大離陸重量75.5t79t97t
最大ペイロード17.7t20t25.5t
最小重量-40.3〜40.6t46.3〜46.6t
燃料容量26,730リットル32,940リットル
エンジンターボファン×2基
(CFMインターナショナル LEAP-1AまたはP&W PW1100G)
ファン直径LEAP-1A:198cm
PW1100G:206cm
最大推力107kN
(24,100lbf)
120.6kN
(27,120lbf)
147.3kN
(33,110lbf)
最高速度マッハ0.82(876km/h)
巡航速度マッハ0.78(833km/h)
航続距離6,950km6,500km7,400km
上昇限度11,900m〜12,100m
離陸滑走距離-1,951m1,988m


A320の派生型

  • A320:
    135〜180席タイプの標準型。

    • A320neo:
      近代化・省燃費改良型モデル。

  • A321:
    A320の胴体を延長した機体。
    A320ファミリーでは最も大型。
    166〜220席。

    • A321neo:
      近代化・省燃費改良型モデル。

      • A321neoLR:
        燃料搭載量を増やし、航続距離を4,000海里(7,400km)に増やしたモデル。

      • A321XLR:
        A321neoLRの航続距離をさらに最大4,700海里(約8,700km)まで延長したモデル。

  • A319:
    A320の胴体を短縮した機体。
    110〜145席。

  • A318:
    A319の胴体をさらに短縮した機体。
    A320ファミリーおよびエアバス旅客機では最も小型。
    100〜129席。


*1 ただしA318には搭載不可。
*2 しかし同機は、機体制御ソフトの不具合から墜落事故を続発させたことで顧客からの信用を失ってしまっており、一時期生産・販売が休止されていた。
*3 インターナショナル・エアロ・エンジンズ。
*4 追加の中央タンク無し。

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