【A-10】(えーてん)

Fairchild A-10 "Thunderbolt(さんだーぼると)II(つー)"
フェアチャイルド社がワルシャワ条約機構の機甲部隊を攻撃するために設計・開発した近接航空支援専用の重攻撃機
対戦車戦を想定した機体のため、低速域での操縦性に優れる低翼式直線翼を採用、コックピット周辺は厚さ1.5インチものチタニウム製装甲に覆われ、エンジンも被弾を避けるため主翼、垂直尾翼に隠れるようなデザインとなっている。 多少の被弾でも問題なく飛行でき、また整備性も非常に良好で、機体の稼働率も高い。
そして本機を最も特徴づけているのは本機専用に開発されて搭載してある30mmのGAU-8/Aアヴェンジャー機関砲で、最大毎秒67発という発射サイクルで徹甲弾劣化ウラン弾を発射できるこの武装は、戦車・装甲車など現存するあらゆる車両を破壊可能である。
そのほかにも、AN/AAS-35「ペイヴ・ペニー」レーザー目標指示器・ペイブウェイ誘導爆弾やAGM-65による精密攻撃能力を持つ。

しかし速度が非常に遅い、などの問題点を揶揄するように
「鳥に追突される」
「機関砲の射撃の衝撃で機体が減速したり(ここまでは本当)、ボルトが緩む」
などと冗談が言われるほどで、配備当初はすぐに退役させるような風潮があったが、湾岸戦争において稼働率、攻撃力の高さが示され、現在も攻撃機FAC機として空軍・州空軍で活躍中である。近年では、FAC任務用に地上部隊と直接交信可能な無線機を追加したOA-10、精密誘導兵器を運用可能にしたA-10Cと呼ばれる改修型が作られている。

また、フェアチャイルド社は練習機SEAD機・海外市場向けとして、INSFLIR電波高度計?などを装備した複座の夜間/全天候型YA-10Bを開発したが、これは採用に至らなかった。

正式な愛称は"ThunderboltII"だが、"Warthog(ウォートホグ)"(いぼいのしし)という俗称もある。

関連:FAC タンクバスター ガンシップ サイレントガン

a10.jpg

Photo: USAF


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