【99式自走榴弾砲】(きゅうきゅうしきじそうりゅうだんほう)

陸上自衛隊で運用されている自走榴弾砲
広報向け愛称は「ロングノーズ」、略称は「99HPS」、配備部隊では「99式15榴弾」とも呼ばれる。

75式自走榴弾砲の後継として1985年から開発が開始され、1999年から調達が開始された。
当初は75式の砲身を39口径に換装したものにすることが検討されていたが、最終的に89式装甲戦闘車の車体をベースに新規開発されることとなった。

自動装填装置は75式自走榴弾砲のものと異なり、装薬も自動装填され、任意の角度での自動装填が可能になっている。
また、99式弾薬給弾車?を連結することで、自動で弾薬を補給し、継続的な発射速度を向上させる事が出来る。
その他、射撃統制装置は野戦特科射撃指揮装置JGSQ-W3(FADAC*1)とデータリンクが可能で、高度な機能として、射撃指揮所の遠隔操作による自動標定、自動照準、自動装填、自動発射が可能とされる。

高性能な車両だが、一両あたりの調達価格が9億6千万円と高額な為、1年間の調達数は数両に留まっている。
2011年度予算までの調達数は93両であるが、2001年に発生した貨物船の沈没事故で2両が失われた。
主に、第7師団第7特科連隊、第1陸曹教育隊、富士教導団特科教導隊、武器学校に配備されている。
火砲の定数が600門に削減されたため、75式全車を更新できるほどの生産は行なわれない模様である。

スペックデータ

乗員4名
全長11.3m
全高4.3m
全幅3.2m
重量40.0t
エンジン三菱6SY31WA4・ストローク直列6気筒液冷ディーゼル(600hp)
最大射程40km
最大速度49.6km/h
航続距離300km
発射速度6rds/min
携行弾数30発(155mm榴弾砲)
兵装主砲:52口径155mm榴弾砲×1門
副武装:12.7mm重機関銃×1挺


IMG_8578.jpg
 

*1 Field Artillery Digital Automatic Computer.

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