【雷撃機】(らいげきき)

航空魚雷で対艦攻撃を行うことを主任務とする軍用機
海上戦闘での決め手である為、単発レシプロエンジンの小型機、特に空母艦上運用を前提としているものが多い。
陸上基地から発進する双発以上の機体も存在するが、大日本帝国海軍の陸上攻撃機が「陸上基地から発進する雷撃機」である一方、魚雷が搭載できる飛行艇等の大型機を雷撃機に分類することは少ないので、大規模な雷装運用が主任務かどうかに依ると言える。
重量のある魚雷に対応している為に爆装の搭載量も多く、中・小型爆弾を多数搭載しての対地爆撃にも活用されたほか、魚雷に近い大重量の大型爆弾も搭載可能。但し、ほとんどの雷撃機は急降下爆撃能力は持っておらず、動く艦艇に有効な爆撃を行うのは困難であった為、対艦攻撃では魚雷装備が標準的であった。

この為、海上戦闘に於いては事実上の雷撃専用機体だったが、やがて急降下爆撃に対応する機体も登場。
さらにエンジン技術の発展に伴って専門化する必要もなくなり、攻撃機と統合されていった。

第二次世界大戦中盤、航空主兵主義に基づく対艦攻撃手段として隆盛。
水雷装備艦よりはるか遠くから雷撃を仕掛けることが可能であり、戦艦を含むいかなる重装艦も撃沈を狙えるほど効果的であったことから、1950年代までは空対艦攻撃の主力であった。しかし、対艦ミサイルの登場及び電子計算機による爆弾投下の高精度化により、航空雷撃そのものが存在意義を喪失。1982年のフォークランド紛争でそれら新兵器の価値が実証された事で兵器としての命脈を絶たれることとなった。

主な雷撃機




トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS