【予備自衛官補】(よびじえいかんほ)

自衛隊予備自衛官制度のひとつで、2001年から陸上自衛隊に導入された制度*1
「国民に広く自衛隊に接する機会を設けて防衛基盤の育成・拡大を図り、将来にわたって予備自衛官の勢力を安定的に確保すると同時に、民間の優れた専門技術を活用する」という趣旨のもと創設された。

(年齢以外に)募集資格の制限を設けず、幅広く人材を募る「一般コース」と、防衛大臣が別途定める免許や専門資格を応募条件とする「技能コース」の2種類がある。


応募資格は日本国籍を持ち、自衛隊での勤務経験が1年未満(未経験者を含む)の18歳以上34歳未満である者*2
(ただし、技能コースについては上限が53歳または55歳未満となる)。

選考により採用されると、居住地を所管する方面隊隷下の教育部隊に招集されて自衛官としての基礎教育・訓練(一般コースは3年間で50日、技能コースは2年間で10日*3)を受けた後、予備陸上自衛官として採用され、以後は一般の予備自衛官と同様の待遇として取り扱われる。

訓練修了後の階級

上記の訓練を修了して予備陸上自衛官として採用される際、応募してきた区分や資格・実務経験年数などによって、おおむね以下に掲げる階級に指定され、防衛大臣が陸上幕僚監部を通じて任命する。

  • 一般コース
    予備二等陸士*4
  • 技能コース(下記の範囲内で、資格・実務経験年数を加味して防衛大臣が決定する)
    • 医師
      予備二等陸佐〜予備三等陸尉
    • 薬剤師
      予備二等陸佐〜予備陸曹長
    • 臨床心理士
      予備二等陸佐〜予備陸曹長
    • 弁護士
      予備二等陸佐〜予備三等陸尉
    • それ以外
      予備陸曹長〜予備三等陸曹

*1 将来的には技術・衛生部門において、海上自衛隊航空自衛隊にも採用することが検討されている。
*2 近年では、一般の大学から幹部候補生学校を目指す学生が、士気向上のために受験することも多いという。
*3 なお、この間は自衛官の階級を与えられないため、防衛出動・災害派遣出動・治安出動・国民保護出動命令によって動員されることはない。
*4 当初は全員が一律に指定されるが、その後、予備自衛官としての勤務実績により予備陸士長まで昇進できる。
  なお、現役経験のある予備自衛官の最低階級は「予備一等陸士」である。


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