【名古屋飛行場】(なごやひこうじょう)

愛知県西春日井郡豊山町*1に所在する飛行場
通称「県営名古屋空港」または「小牧空港」。
時刻表・行先案内・航空券などでは、中部国際空港と区別するため「名古屋(小牧)」とも表記される。

本飛行場のルーツは、大東亜戦争後期の1944年、陸軍航空隊の基地として建設された「小牧飛行場」を発端としている*2
終戦後は進駐してきたアメリカ軍により接収されていたが、1952年、本飛行場を経由して東京大阪間を結ぶ定期路線が開通したのを契機に民間空港として再出発(その後、1958年に接収解除)。
これ以後、国内外各地への路線が順次開設され、1960年以後は「名古屋空港」と改められ、愛知県の空の玄関口として親しまれてきた。

この間の1962年、国産初のターボプロップ旅客機YS-11の1号機が本飛行場で初飛行を行っている。

しかし、2005年に中部国際空港が開港したため、それまで本飛行場に発着していた路線のほとんどが移行。
これを機に、以下のような大きな変化が起こった。

  • 空港種別が従来の「第二種空港」から「その他公共用飛行場」へ変更。
    設置・管理主体が国(国土交通省)から愛知県に移された。
  • 名称を「名古屋空港」から「名古屋飛行場」に変更。
  • ターミナル機能の縮小。
    従来、国際線・国内線で2棟に分かれていたターミナルビルが1棟(旧国内線用のビル)に集約され、CIQ(税関・出入国管理・検疫)機能は1室で行うようになった。
    なお、旧国際線のターミナルビルは中部国際空港への移管と同時に空港敷地から切り離され、現在は「エアポートウォーク名古屋」というショッピングセンターになっている*3
  • 管制業務の担当変更。
    一部*4が国土交通省航空局から航空自衛隊小牧管制隊へ移された。

現在は静岡県に本社を置く地域航空会社「フジドリームエアラインズ」(日本航空系列)の拠点空港として使われている他、中部国際空港に比べて名古屋市中心部に近いことを活かし、ビジネス機の拠点としても活用されている。
また、名古屋市消防局航空隊や愛知県警航空隊、愛知県防災航空隊の基地や中日新聞社の航空取材拠点が設置されている他、近隣の航空自衛隊小牧基地とは滑走路を共用している。

空港情報

種別:その他公共用飛行場(2005年2月16日までは第二種
滑走路:2,740×35(18/36)
3レターコード:NKM(2005年2月16日まではNGO*5
4レターコード:RJNA(2005年2月16日まではRJNN)

自衛隊の配備部隊

本飛行場に隣接して航空自衛隊の小牧基地があり、以下の部隊が駐留している。

  • 航空総隊隷下
    • 航空救難団
  • 航空支援集団隷下
    • 第1輸送航空隊
      • 第401飛行隊(C-130Hを装備)
      • 第404飛行隊(KC-767Jを装備)
    • 航空保安管制群
      • 小牧管制隊
    • 航空気象群
      • 小牧気象隊
  • 航空教育集団隷下
    • 第5術科学校*6
  • 防衛大臣直轄

その他の官公庁航空組織

  • 愛知県警察本部地域部
  • 愛知県庁防災局消防保安課
    • 愛知県防災航空隊(ベル412を装備。運航は中日本航空に委託)
  • 名古屋市消防局消防部
    • 名古屋市消防局航空隊(AS365を装備)
  • 国土交通省中部地方整備局(災害対策用機としてベル412EPを装備。運航は中日本航空に委託)

*1 敷地は小牧市、春日井市及び名古屋市北区にもまたがっている。
*2 これ以前の1930年代、名古屋港内の埋立地に「名古屋飛行場」を名乗る飛行場があったが、終戦とともに放棄されている。
*3 本来の空港ターミナルビルとしてはわずか6年しか使われなかったことから「無駄遣いだったのでは?」という批判もあった。
*4 飛行場管制及び着陸誘導管制業務。なお、進入管制及びターミナルレーダー管制業務は中部国際空港が一括して受け持っている。
  また、中部国際空港の管制塔は本飛行場以外に、航空自衛隊岐阜基地・浜松基地、陸上自衛隊明野駐屯地などの進入管制及びターミナルレーダー管制業務も行っている。

*5 現在は中部国際空港へ移管。
*6 航空管制に関する教育を担当する学校。
  空自のみならず、陸自海自における同種業務に従事する隊員教育も受託している。


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