【防空識別圏】(ぼうくうしきべつけん)

Air Defense Identification Zone (ADIZ(アジズ))
国家が、防空上の要求から設定している区域。
その国家が領空として主張する区域、及びこれに隣接する公海上空の若干の空域が設定されるのが普通。

この空域へ、飛行計画書?の提出や位置の通報などを行わずに航空機が侵入した場合、当該空域を支配する国の軍隊(防空部隊)による対領空侵犯措置を受ける可能性がある。
なお、民間機の運航についての防空に必要な情報は、管制機関から防空管制センターに随時送られる。

関連:飛行情報区 スクランブル

与那国島における問題

基本的に、防空識別圏はその国が領空として主張する区域に沿って設定されるものであるが、日本の最西端である沖縄県・与那国島では、かつて島の西半分が台湾(中華民国)の防空識別圏になっていた。
これは第二次世界大戦後、沖縄諸島がアメリカの統治下にあった時代、アメリカ軍が島を通る東経123度線を台湾との防空識別圏の境界に設定してしまったことの名残である。

そのため、日本の領空内であっても台湾空軍により対領空侵犯措置が取られる場合があり、沖縄県と与那国町から長年にわたって改正要望が出されていた。
2010年6月にようやく改正が行われ、島の西側の日本国領空と、その外側2海里までが日本の防空識別圏と改められ、この問題は解決をみた。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS