【被曝】(ひばく)

さらされること。現代では生物が放射線にさらされる事を意味する場合が多い。
原子炉事故や放射性物質の取り扱い事故によるものから、自然界の放射線によるものまで、様々な原因が存在する。
程度にもよるが、被曝量が多い場合は深刻な健康被害を被り、あるいは死に至る場合もある。

「曝」は常用漢字ではないため、報道関係では「被ばく」と表記されることも多い。
核兵器の爆発による被曝は、特に「被爆」と書いて区別する場合がある。

放射線被曝と健康被害

放射性物質から生じる放射線の被曝と健康への危険性との関連については、おおむね以下の通りとされている。

被曝量
(単位:ミリシーベルト)
具体的な被害
2.5自然界で1年間生活した場合の平均的な被曝量。
4レントゲン撮影1回分の被曝量。
50放射線業務従事者の1年あたりの許容被曝量。
この限度を超えると遺伝病のリスクが大きくなる。
100胎児の致死量。
受精直後であれば即死。
発達段階に応じて奇形、知能障害、発育障害などを生じる。
250これ以上の量を短期間に被曝すると健康障害が発生する。
主な症状は悪心、嘔吐、全身倦怠など。
1000造血障害による免疫不全、それに伴う感染症を発症。
2000水晶体の混濁(白内障)が発生。最悪は失明に至る。
3000皮膚細胞が壊死し、脱毛や皮膚の紅斑などが発生する。
5000小腸が壊死。
重篤な下痢および細菌感染を伴い、ほぼ生還の見込みなし。
7000皮膚が表面から皮下脂肪に至るまで壊死し、水疱・腫瘍を形成。
15000脳を含む中枢神経に障害。ほとんどが5日以内に死亡する。

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