【爆薬】(ばくやく)

一般に高性能爆薬(High Explosives) と言われ、化学反応熱の伝播速度が音速以上(秒速数千m)で衝撃波を伴う有機化合物。

ピクリン酸、ニトログリセリン、TNT(トリニトロトルエン)等があり、より大きな爆発力を持つ物として、RDX(サイクロナイト、秒速8700m)、HMX(オクトーゲン、秒速9200m)と呼ばれる物もある。
また、高性能爆薬にワックスや油脂などの可塑剤を加えて、化学的に安定させた物をプラスチック爆弾(C4等)と言う。
主に爆弾ミサイルの弾頭や、特殊部隊による重要施設の爆破等にも使用される。

一般に「爆薬」と言うと容易に爆発する危険な代物であったり、またTV等では演出の関係とはいえ、銃弾が当たった程度でよく爆発したりするが、実際には軍隊で使用される爆薬は銃弾が当たった程度では爆発せず、またハンマーで叩いたり摩擦熱等でも容易には爆発しない。
C4爆薬などは火中に投げ入れても爆発せず燃えるだけなので、固形燃料やライターの代わりになるほどである。
そのため、爆発させるには一部の物を除き点火装置が必須であり、「点火装置と別に保管する」「火気を近づけない」等、正しい扱いをすればさして危険なものではない。

ただし、これはあくまで爆発しないというだけであり、その他の点については完全な危険物である。
爆薬は基本的に猛毒であり、手で触れた際に付着した程度の微量でも健康被害を引き起こす危険がある。野外に放置すれば環境被害も予想され、燃えた際の噴煙も当然ながら有害である。
しかも羊羹や遊具用粘土などと見まがうような外観のため予備知識なしで爆薬だと気付くのは難しく、紛争地帯では子供や民間人などが不用意に触れて著しく体調を崩す事もある。
また、軍人が訓練中にふざけて弄んだり(あげくに食べたり)して病院に搬送されたケースもある。

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