【日向】(ひゅうが)

  1. 大日本帝国海軍・超ド級戦艦「日向」。
    「伊勢」級戦艦の2番艦として大正時代に計画・建造された。

    この時代、日本海軍は「金剛」級巡洋戦艦と「扶桑」級超ド級戦艦各4隻を組み合わせた主力艦隊の整備を計画したが、急速に進む造艦技術の進歩の前には「扶桑」でさえも旧式化する危惧があった。
    そこで、「扶桑」の欠点を改良して生まれたのが「伊勢」級であり、本艦はその2番艦として就役した。
    しかし、ベースとなった設計が第一次世界大戦前のものだったため、その能力は必ずしも満足出来るものではなく、就役後もたびたび改良が加えられたが、太平洋戦争では航空主兵主義の発達により、航空母艦に随伴出来ない速力の遅さと対空装備の脆弱さが嫌気され、これという出番がなく過ごしていた。

    ところが、1942年のミッドウェー海戦で日本海軍は「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」という主力空母4隻を一度に失ってしまい、その補充として、あまり使い道のなかった戦艦を空母に改装することになった。
    この時、たまたま本艦が後部主砲塔1基を爆発事故で失っていたことから、僚艦の「伊勢」と共に空母改装の第一陣として選定された。
    当初は、主砲・艦橋などの上部構造物を全て取り払い、普通の空母と同様の飛行甲板を張ることも検討されたが、時間と費用のかねあいから、後部主砲塔2基のみを撤去して飛行甲板と格納庫を設け、航空戦艦として再デビューすることになった。
    しかし、今度は搭載する艦載機の開発が間に合わず、実戦で航空機を搭載して出撃する機会はついになかった。

  2. 海上自衛隊ヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」
    (JDS Hyuga DDH-181)
    1970年代に就役し、「八八艦隊」の主軸を務めていた「はるな」級ヘリコプター護衛艦の代替として、2004(平成16)年度防衛予算で発注された大型護衛艦。

    本艦の最大の特徴は、事実上「ヘリコプター空母」とも呼べる全通式の飛行甲板である。
    これにより、現在の「はるな」級や「しらね」級では3機しか搭載できなかったヘリコプターを最大11機まで搭載することが出来るようになった。
    その一方、(「ヘリコプター搭載駆逐艦」を意味する「DDH」の艦籍記号はつけられているが)速射砲艦対艦ミサイルといった水上戦闘用の兵装は搭載されておらず、対艦・対空戦闘はイージス艦(「こんごう」級及び「あたご」級)や他の汎用護衛艦と連携して行うこととされている。
    また、護衛隊群の旗艦として運用されることから通信・情報収集能力も高められており、アメリカが1960〜1970年代に考案していた「制海艦」に近い運用も期待されている。

    本艦は2007年8月に進水、2009年3月に就役予定である。

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