【統合電気推進】(とうごうでんきすいしん)

Integrated Electric Propulsion, IEP

車両・艦艇航空機の設計思想のひとつ。
全ての機器の動力を一括した共用電源設備で賄う事。

推進力をエンジンに依存せず、電動機で駆動する事を前提とする。
ただし、ディーゼルエンジン蒸気タービンを発電機として設置する事はある。

なお、慣例上、外部からの配電を前提とする機構は含まない。
鉄道(電車)やエレベーターは一般に「統合電気推進機関」とはみなされない。

駆動系そのものの効率は低下する反面、現代の機械に不可欠な電子機器類の運用効率が向上する。
また、燃料配管など各種バイタルパートの配置を比較的自由に設計でき、ダメージコントロールを大きく利する。
電動機を用いるため静音に運用でき、また急激な加減速に耐え、運動性の高い構造を実現できる。

とはいえ、駆動系の効率低下は致命的な問題である。
多くの場合、航続距離巡航速度・運用コストは実用困難なほど悪化する。
この点で商業的成功を見込めず、概念実証などのために少数が製造されるのみに留まっている。

主な採用例

  • アメリカ
    • ズムウォルト級ミサイル駆逐艦
    • ルイス・アンド・クラーク級貨物弾薬補給艦
  • イギリス
    • 軍用
    • 民間
      • クルーズ客船「クイーンメリー2」
  • 日本

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