【大陸間弾道ミサイル】(たいりくかんだんどうみさいる)

(Intercontinental ballistic missile ICBM)

弾道ミサイルの分類のひとつ。
有効射程距離が極めて長く*1、北米大陸からユーラシア大陸など、大洋に隔てられた大陸間を飛翔することが出来るミサイルを指す。

ロケットエンジンにより長距離を飛行するため、大量の燃料を搭載する必要上、弾体はきわめて大きくできている。
また、その弾体を敵のスパイ戦略偵察機偵察衛星などから隠し、先制攻撃の被害を避けるため、平時は「ミサイルサイロ」と呼ばれる地下式の格納庫兼発射台に納められており、一朝有事の際に指令を受けて発射されるようになっていることが多い。

また技術発展により命中精度が上がり、核攻撃でもピンポイントでの攻撃を要する効果目標も破壊出来るようになった為、近年では先制核攻撃によってミサイルサイロ等の相手国の核戦力を削ぎ、自国の生存率を高める「カウンター・フォース」と呼ばれる戦略が可能になり、アメリカやロシアではSLBM?を報復核攻撃用、ICBMを先制核攻撃用として併用している。

前述の通り、抑止力としてなら技術の発展により生存性が遥かに高いSLBM?を使えば事が済んでしまう為、技術開発目的の発展途上国を除く先進国での開発は下火の傾向がある。

(具体的な機種については弾道ミサイルの項を参照のこと)


*1 米ソ間の「戦略兵器制限交渉(SALT)」では「射程距離5,500km以上」と定義されている。

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