【対迫レーダー】(たいはくれーだー)

敵から迫撃砲による攻撃を受けた時に射撃地点を割り出す為のレーダー

野砲であろうと迫撃砲であろうと、一般のレーダーでも「探知」自体は出来るのだが、野砲の場合、射程距離が長いため(飛翔中のさまざまな外的要因により)弾道の変化が激しく、精確に位置を割り出すのは難しかった。
一方、迫撃砲は射程が短く、弾丸は大きく山なりな弾道を描いて飛翔する為、ある程度パターン化することが可能で、射撃地点を割り出す事は比較的容易だった。
そのため、この分野のレーダーでは一番最初に実用化されている。

近年では、レーダーにパッシブ式フェイズドアレイレーダーを使用することにより、今まで難しかった対砲レーダーの開発に成功している。
ちなみに「対迫」レーダーであっても短距離であれば射撃地点を割り出す事は可能である。

対迫レーダーは、短射程の迫撃砲の射撃地点を割り出す事を求められている為、比較的簡易的で機動力に優れたシステム構成にすることが求められる。
一例として、アメリカ軍が運用しているAN/TPQ-36(最大索敵範囲は砲弾18km・ロケット弾24km)がHMMWV1輌で運用が可能なのに対し、対砲レーダーのAN/TPQ-37(砲弾30km・ロケット弾50km)は5tトラック3輌が必要である。

自衛隊ではJMPQ-P13が配備されており、73式大型トラックで牽引して運用している。
このレーダーは2004年〜2008年までのイラク復興支援活動でも使用された。


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