【装弾筒】(そうだんとう)

Sabot(サボ)(仏) *1

火砲口径より細い弾丸を装填可能にするための詰め物。
弾丸の外周をプラスティックや軽金属の筒で覆い、見かけ上の口径を拡大する。

火砲装薬の爆発によるガスの圧力で初速を得ている。
よって、口径より細い弾丸は発射ガスの漏出を招き、初活力を大きく損なう。
また、隙間があると砲口から飛び出すまでの挙動が不安定になり、故障・事故を誘発する。

装弾筒はこの隙間を埋め合わせ、発射ガスを受け止めて弾丸に伝える役割を果たす。
無事に発射されたら直後に分離されて落下し、弾丸本体だけが目標に向かって飛んでいく。

細い弾丸を大口径砲から発射する事で空気抵抗が軽減され、最大射程が伸張される。
また、弾丸のスパイク形状がより鋭角になり、装甲を貫徹しやすくなる。
一方、弾丸本体の質量も減るのでデストラクションパワーは激減する。

基本的には徹甲弾のための用具で、特に主力戦車級の大口径カノン砲で用いられる。
対人用途で防具を貫通させるために用いられる事もあるが、これはさほど有意義ではないとされる*2

関連:装弾筒付徹甲弾 装弾筒付翼安定式徹甲弾


*1 語源はフランス語で「木靴」の意。
  弾丸の尾部に靴を履かせたように見える事が由来。

*2 5.56mm小銃弾で貫けないからといって同口径の徹甲弾を用意する必要はない。
  手榴弾なり、マークスマンライフルなり、機関銃なり、迫撃砲なり、仕留める方法はいくらでもある。


トップ 新規 一覧 単語検索 最終更新ヘルプ   最終更新のRSS