【潜水艦】(せんすいかん)

潜水可能な艦艇
船体に潜航・浮上用のタンク(バラストタンク)を装備し、そこに海水を注・排水することで海中と海面を自在に行き交うことができる。

潜水艦は、隠密性こそが攻撃力であり防御力でもある。
1950〜1960年代頃までの潜水艦は、長時間潜っていることが難しかったため主に水上を航行し、特に必要のある場合のみ潜行するのが普通だった。そのため、水上航行に適した船体を持っており潜航時の速度は極端に低下した。
時代を下るにつれ、レーダーや音響技術の発展により、浮上しての航行は被発見率が上がってしまうようになり、その一方で潜水艦技術も向上したのに伴い、潜水艦の船体は常に潜航する事を前提として水中での行動に適した涙滴型へと徐々に進化した。

武装は魚雷艦載砲であったが、1940年代ごろから徐々に砲は廃れてゆき、魚雷が支配的になった。
現在の潜水艦の武装は魚雷艦対艦ミサイルが多く、さらに対地攻撃用の巡航ミサイル弾道ミサイルの発射能力を持つものもある。 

戦後には機関として原子炉を搭載した原子力潜水艦(原潜)も登場した。 ディーゼル機関を使用していた従来の潜水艦は空気を補給するため定期的に浮上する必要があったが、原潜はその必要がないため、長時間の潜伏に有利である。 一方、ディーゼル潜水艦に比べて原子力潜水艦は機関設備がおおがかりになり静粛性に劣るという欠点もある。

敵艦を発見、追尾する方法は、主にソナーである。 かつては潜望鏡も使用されていたが、センチ波レーダーが発明されて以後は潜望鏡の被発見率が格段に上がったため、現在は戦闘時に使用されることはまずない。
対水上レーダーや対空レーダーも装備しているものが多いが、使用されることは少ない。

大戦後には核報復力としての戦略潜水艦が登場したため、戦闘用の潜水艦は攻撃潜水艦と呼ばれることがある。

潜水艦はその秘匿性が最大の特長であるため、性能や活動について秘密にされている事項が他の艦艇に比べても特に多い。 海上自衛隊でも、潜水艦隊は訓練内容すら?とされており、就役後には船体から番号が消されるため、同型艦の識別は困難である。

潜水艦の区分。

  • 戦略潜水艦
    • 原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)
    • 弾道ミサイル潜水艦(SSB)
    • 原子力ミサイル潜水艦(SSGN)
    • ミサイル潜水艦(SSG)
  • 攻撃潜水艦
    • 原子力攻撃型潜水艦(SSN)
    • 攻撃型/哨戒潜水艦(SS)
    • 対潜潜水艦(SSK)
  • その他の特務艦
    • 特務/実験潜水艦(SSA)
    • 原子力特務潜水艦(SSAN)
    • 支援潜水艦(TSS/ATSS)
    • 小型潜水艇(SSM)
    • 沿岸潜水艇(SSC)
    • 特殊任務用潜水艇(LSDV)
    • 深海救難艇(DSRV)

      関連:群狼戦術

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      Photo :SERA

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