【戦車駆逐車】(せんしゃくちくしゃ)

通常型の戦車を改造し、より大口径の主砲を搭載して戦車を撃破する事を目的とした車両。駆逐戦車とも呼ばれ、 ドイツでは「Jagdpanzer(ヤークトパンツァー、又はヤクトパンツァー)、アメリカでは「Tankdestroyer(タンクデストロイヤー)」と呼ばれる。

元々戦車と正面切って戦うような設計はなされておらず、基本的な戦法は待ち伏せであり、射撃後は直ちに待避して敵戦車の反撃を避けなければならないのだが、第二次世界大戦後半のドイツでは慢性的な戦車不足を補う為、その代用として戦車部隊に配備され、アメリカでは主力であったM4中戦車で手に負えないドイツ戦車と遭遇した場合の切り札として運用された。

主砲の大口径化を行うに各国でそれぞれ思想が異なり、ドイツ、旧ソ連では使い勝手が悪くなるが構造的負担の大きい砲塔を廃して、簡単に大口径砲を搭載出来る様にし、且つ強固な防御力を与え、アメリカでは防御力を求めず車両を軽量化して大口径化した分の重量増を押さえ、尚かつ砲塔を残して使い勝手と機動性と求めた。どちらの方式が良いかは一概に言えないが、どちらのタイプも対戦車ミサイル等の発達により姿を消していった。

尚、同様の車両に対戦車自走砲?が存在するが、こちらは文字通り自走出来る対戦車砲であり、戦車を撃破する為の攻撃力のみを求めた車両である。


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