【政経中枢師団】(せいけいちゅうすうしだん) †

陸上自衛隊における師団のタイプ別分類の一つで、装備・部隊構成を市街地での対ゲリラ・テロ戦闘に最適化したもの。
東部方面隊隷下の第1師団（司令部所在地：東京都・練馬駐屯地）、及び中部方面隊隷下の第3師団（司令部所在地：兵庫県・千僧駐屯地）がこれにあたる。

従来、陸自の師団（戦車師団である第7師団を除く）は「甲師団（人員約9,000名）」、「乙師団（人員約7,000名）」の2タイプに分かれており、部隊構成は各師団とも基本的に差はなかった。
しかし、1990年代〜2000年代にかけての冷戦終結や国家総力戦思想の退潮に伴って、日本周辺を取り巻く軍事的環境が大きく変化したことを受けて、地域の特性に合わせた編制が求められることになった。
このことから、日本の政治・経済・文化の中心地である首都圏及び京阪神地方を守備範囲とする第1・第3師団については、本土に着上陸侵攻をもくろむ仮想敵国の正規部隊との正面戦闘よりも、軽装備・少数単位で潜入して種々の破壊工作を目論む特殊部隊やスパイ・テロリストに対する掃討戦を重視するように改編が行われることになった。

具体的な方策としては、師団に配属されている戦車・野砲を削減するとともに部隊単位を縮小し*1、一方で高機動車・軽装甲機動車・96式装輪装甲車などの装輪戦闘車両を多く配備して機動力を高め、加えてNBC防護のために専門部隊が編成されるなど、現代的な脅威への対処が行えるようになっている。

関連：近衛師団

*1 戦車部隊は大隊編制→中隊編制に、特科（砲兵）部隊は連隊編制→「隊（中隊規模）」編制になった。
　　また、普通科連隊では重迫撃砲中隊が廃止され、狙撃班が編成された。

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