【成層圏プラットフォーム】(せいそうけんぷらっとふぉーむ)

高度20Km〜40Km付近の成層圏で定点に留まり、電波中継や地表観測・監視などを行う高高度飛行体。
飛行体としては、「ソーラープレーン?」「大型飛行船」「ジェット機」などが考えられている。
現在各国・各社で研究が進められているが、まだ実用化はされていない。

現在、同様の用途で運用されている人工衛星に比べて、

  • 打上げコストが非常に安い
  • 伝播遅延・ロスが低い
  • 低コストのカメラで高解像度画像

といった有利な特徴があるが、実績が無いのが大きな難点である。

高高度飛行体に求められる機能としては

  • 機体単価が安いこと
  • 維持にコストがかからないこと
  • 安全性(環境や墜落対策)
  • ある程度長時間(数ヶ月以上)空中に留まる能力があること
  • ある程度の搭載能力を持つこと

などがある。

飛行体の内、ジェット機は搭載能力は十分にあるが、維持コストや滞空時間に問題があり、ソーラープレーン?は搭載能力がかなり低い。
そのため大型飛行船が有望視されている。
考えられている飛行船は、全長150〜250m、数トンの搭載能力を持ち、太陽電池か燃料電池を積み、自律的に定点に留まれる遠隔操縦可能な無人飛行船である。
成層圏は風も温度変化もほとんど無く飛行船に適していることや、万が一事故が起こっても急激に墜落しないことなど、多くの利点を満たしている。
だが現在、NASAと米AeroVironment?社による「Pathfinder Plus」と「Helios」の2機のソーラープレーン?成層圏飛行に成功しているのみであり、いずれも搭載量は100kgに満たない。
また、太陽電池のコストや定点に留まる能力など、まだまだ課題は多い。

http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/aero2000/asmoplat.jpg
飛行船型成層圏プラットフォームの構想模型


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