【水メタノール噴射】(みずめたのーるふんしゃ)

内燃機関の出力を向上させる手段の一種。
レシプロエンジンガスタービンに取り入れられる空気を冷却するために、水とメタノールの混合気体を噴射する事。
基本的には水だけで十分だが、主に航空機で用いられるため、高空で凍結するのを防ぐためにメタノールが混ぜられる。

断熱圧縮された吸気に水(とメタノール)を噴射し、その気化熱で吸気を冷却し、酸素密度を上げ、効率を高める。
また、冷却する事で燃料(混合気)の自然発火とノッキングが抑制され、高圧下での挙動を安定させる。
ただし、装置を使用しない場合には完全にデッドウェイトになるうえ、ポンプの性能の関係上、各シリンダーへ均等に噴射できないこと、また、シリンダー内の腐食や整備性の悪化による故障を誘発しやすいこともあり、現在ではほとんど用いられなくなっている*1

水メタノール噴射を行った時の推力を「ウェット推力」、通常時の推力を「ドライ推力」と呼んで区別している。


*1 インタークーラー(とオクタン価の高い燃料)で代替されている。

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