【垂直発射システム】(すいちょくはっしゃしすてむ)

Vertical Launching System (VLS)
現代の新型戦闘艦に多くみられる、甲板下に埋め込むように設置された垂直のミサイル発射機。多くの場合弾薬庫も兼ねる。

垂直発射システムは以下のような利点を持つ。

  • 発射機の容積を局限できる。
  • 機械駆動の装填機構が存在しない為信頼性が高い。
  • レーダー反射面積が低い。
  • 被弾時にも被害を受けにくい。
  • 互換性が比較的高く、多種多様な弾薬を発射できる。
  • 連続発射が可能。
  • メンテナンスを含めた耐候性に優れる。

代表的なものに、RIM-7RIM-162専用のMk.48と、汎用型のMk.41が存在し、後者はRIM-66RIM-7BGM-109RUM-139RIM-162などが運用可能である。
また、Mk57 PVLS (Peripheral Vertical Launch System) と呼ばれる新型VLSが現在開発中であり、ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に搭載される予定である。

Mk.48はRIM-7専用にすることで軽量化および容積効率の向上をした型であり、Mk,41・Mk.48ともにRIM-7を1セルあたり2発まで装填することができる。
ところが後継のRIM-162はMk.41に1セルあたり4発まで装填できるのに対し、Mk.48では相変わらず2発までしか装填できない。
対策として、Mk.48のキャニスターを変更してRIM-162を1セルあたり4発装填できるようにしたMk.56が開発されている。

アメリカ以外の国で開発された垂直発射システムには、フランス(SYLVER(アスターSAM用のA-43・A-50とSCALP Naval対地巡航ミサイル用のA-70))、イギリス(シーウルフSAM後期型)、イスラエル(バラクSAM用)、ロシア(SA-N-6SA-N-9SA-N-19SS-N-27用)、中国(HQ-9SAM用)、南アフリカ(ウムホントSAM用)がある。

主な垂直発射システム

http://www4.plala.or.jp/klesa108/diary/yksk0407/dd-107_vls.jpg
いかづちのMk.41 VLS(RUM-139用)


*1 SM-2MRトマホークの運用も可能である。

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