【情報収集衛星(日本)】(じょうほうしゅうしゅうえいせい(にほん))

Information Gathering Satellite(IGS).

日本国政府*1が運用している、事実上の軍事衛星(偵察衛星)。
1998年のテポドン事件を契機に、「国家安全保障や大規模災害への対応など、内閣の重要政策に関して必要となる画像情報」を収集することを目的として開発され、2003年に第一号機がH2Aロケットにより打ち上げられた。

本衛星は、光学センサー*2を搭載する「光学衛星」と合成開口レーダーを搭載する「レーダー衛星」の二種類があり、両タイプ1機づつのペアを2組構成して運用されている*3
人工衛星としての詳細なデータは機密とされ公表されていないが、地球低軌道の「太陽同期軌道」を周回しているとされている。
このため、仮想敵国がわが国に向けて弾道ミサイルを発射しようとしている兆候を捉えることはできても、発射の瞬間を捉えて警報を出すことは不可能だという*4


*1 運用は内閣官房直属の「内閣情報調査室内閣衛星情報センター」が受け持っている。
*2 近赤外線観測機能付きの超望遠デジタルカメラを装備。
*3 この体制が完成したのは、2013年4月にレーダー4号機の運用が開始されてからであり、1号機の運用開始から10年経って達成された。
*4 発射をリアルタイムで探知するには、静止軌道を周回する「早期警戒衛星」が必要であるが、現時点ではまだ開発・運用計画はない。

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