【銃剣】(じゅうけん)

bayonets バヨネット

小銃を携えたまま白兵戦を行う際、銃身の先端に装着する槍の穂先のような武器。
単体でも短剣として利用可能なものが多いため日本語では「銃剣」と称される。発明当初は斬る事を突き刺す事だけを考えたスパイク(尖った棒)状の銃剣が主流だったが、その後護身用のサーベルや短剣代わりに利用できる形状に変化していった*1

多くの銃剣は片刃で、持ち上げた銃を振り下ろす“アメリカ式”の用法に合わせて刃を下向きにするのが一般的。旧ソ連のAKシリーズなどは突き刺してから斬り上げる“ロシア式”に沿って上向きに取り付ける。
どちらにせよ基本的な用途は突き刺す事であり、刃を使って斬る技術は熟練を要する。槍に似た用法で運用されるため、日本では槍術を参考にして考案された「銃剣道」なる武道も存在する*2

現代では自動小銃の登場によって旧来の白兵戦が至近距離での銃撃戦へと変質し、また小銃自体が小型軽量化しているため、銃剣は栓抜き・ワイヤーカッター・鋸・スコップ・ナイフなどを兼ねた多用途工具として、また儀礼用の装備として役割を変えつつある。


*1 現代でも銃本体に内蔵する折り畳み式の銃剣は単純なスパイクが採用される場合がある。旧ソ連のSKS、中国の56式小銃・63式小銃など
*2 国体(国民体育大会)の正式種目だが、参加者の大半が自衛隊出身者で占められる

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