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【自動小銃 】 †
セミオート射撃が可能な小銃。フルオート射撃やバースト射撃に対応しているものもある。
基本的な運用は前世代のボルトアクションライフルと同様、遠方からの制圧射撃と狙撃である。
第一次世界大戦前夜に発明*1された。
当初は製造コストの高さが忌避されて制式採用されず、チェコスロバキアなどの中小国を中心に細々と生産されていた。
1935年、ドイツの再軍備宣言によって第二次世界大戦が危惧され、大規模な軍拡が始まるとともに需要が生じた。
その当時の生産元はこの急激な需要拡大に対応できず、主要な列強がそれぞれ独自に自動小銃の開発を進めていく事になる。
1936年にM1ライフルがアメリカ陸軍で制式採用されたのを皮切りに、第二次世界大戦勃発から間もなく主要国で相次いで実用化された。
特に、1941年ドイツで開発された
Sturm Gewehr (突撃銃) は後のモデルに多大な影響を及ぼした。
フルオート射撃を可能にしたこの小銃は、1943年にMP43(1944年にStG44へ改称)として制式採用されるや各戦線で猛威を奮った。
Photo: U.S.Army
セミオート/フルオートの区別 †
「自動小銃」の語はもともとセミオート射撃可能な小銃を指す語だった。
しかしその普及からまもなく、フルオート射撃も可能な突撃銃が登場した。
突撃銃登場初期には小銃がフルオート射撃可能な否かを区別するという発想がなかった。
このため、書類や無線通信による戦況報告に相当な混乱を来したという。
この混乱からはやがて収まったが、それは厳密な用語の区別というより、自動小銃のフルオート化が標準となった事が大きい。
こうした経緯から、「自動小銃」と「突撃銃」の区別はしばしば曖昧である。
新たな用語を定義する事なく時代が推移した結果、自動小銃と突撃銃を区別しなくなった国もある。
例えば、日本語では「自動小銃」も「突撃銃」も研究上の訳出語であって軍政上の厳密な定義を持つ用語ではない。
自衛隊が装備する小銃は「自動小銃」とも「突撃銃」とも呼ばれず、単に「小銃」と称されている。
また、自動小銃と突撃銃を区別する場合、その機能よりも、用いている弾丸を基準とする事が多い。
例えば、NATOは当初7.62×51mmNATO弾を自動小銃の弾薬として定めていた。
しかしこれは重さと装薬の多さからフルオート射撃に不向きなため、新たに5.56×45mmNATO弾が採用される事となった。
この経緯から、7.62mm×51NATO弾を用いるものをバトルライフル、5.56×45mmNATO弾を用いるものを突撃銃として扱う場合が多い。