【自衛隊記念日】(じえいたいきねんび)

防衛庁防衛省及び自衛隊内部の訓令により、創設記念式典を開催する事と定められた記念日。
昭和41年(1966年)9月2日に発令された訓令により、毎年「11月1日」が自衛隊記念日と定められた。

自衛隊内部の訓令以外に法的根拠はなく、諸国の「建軍記念日」の多くが国民の祝日であるのに比して扱いは軽い*1

毎年この日の前後には、自衛隊の最高指揮権を持つとされる内閣総理大臣、駐日大使館・領事館に勤務する外国軍の駐在武官隊員の家族などを招いて「中央観閲式(諸外国軍の観兵式にあたる)」というイベントが開かれる。
主催は陸上自衛隊(埼玉県朝霞駐屯地(朝霞訓練場)にて開催)・海上自衛隊自衛隊観艦式・相模湾沖にて開催*2)・航空自衛隊(航空観閲式・茨城県百里基地にて開催)の持ち回りで、各々3年に一度行われる*3

また、音楽科部隊のコンサートや駐屯地・基地の一般公開、自衛艦の体験航海や自衛隊機の体験飛行などといった広報関係のイベントも、10月〜11月に集中する傾向にある。
そうしたイベントの多くが開催の名目として「自衛隊記念日行事」を掲げる。

関連:観艦式

日付制定の理由

一般に、この種の記念日は対象組織の発足した日であると定める事が多い。
しかし、防衛庁自衛隊が発足したのは1954年7月1日であり、訓令で定められた「11月1日」とは4ヶ月も離れている。

夏〜初秋にかけては梅雨・大雨・台風の時期であり、災害派遣出動が実施される可能性が高い。
このため、自衛隊全体で記念式典を催す時期としては不適であるという。
同様の理由から、例年を通して天候が安定する初冬の時期が選ばれたという説が有力である*4

ただし、防衛駐在官が派遣されている在外公館では本来の創設記念日である「7月1日」前後に、現地の軍人や国防関係者を招いてレセプションが催されているという。


*1 日本においては「寿司の日」「点字の日」「本格焼酎の日」などのような、官庁や業界団体が内部的に定めた「記念日」と同様の扱いである。
*2 公募で選ばれた一般市民も参列できる。
*3 この方式になったのは1996年以降。なお、2001年度は9.11事件の影響により、2019年度は台風19号にかかる災害派遣出動のため中止。
*4 ただし、これは公式な見解ではなく、実際にどのような経緯でこの日に定められたのかは定かでない。

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