【士気】(しき)

軍隊を初めとする集団(およびそれに属する各個人)が困難や危険に対して効率的に対処する能力。
定義はあまり明確でないが、一般的には以下の要素を尺度とする。

  • 各個人が目的に対してどれだけ強い意志を持っているか
  • 各個人や集団全体がその状況にどれだけ慣れているか
  • どれだけ健全かつ効率的にコミュニケーションを取れているか
  • 状況そのものがどれほど困難であるか

当然の事ながら、状況解決が困難であればあるほど士気は落ちる。
特に軍隊はその性質上極めて絶望的な状況が想定されるため、士気の高低は死活問題である。

作業を最大限に効率化する事と、士気を最大限に維持する事はふつう両立しない。
士気を維持するためには作業効率を多少なりとも落とさなければならないし、*1
士気の維持を最優先事項として設定すると、その意志決定はどうしても“不健全”なものになる。
汚職、サボタージュ、机上の空論、洗脳、理不尽な行動方針、暴虐行為などは全て士気が低下しているサインだが、
それらの行為も全て(各々が自分自身の、元々あまり高くもない)士気を維持するために行われているとも言える。

このため、集団の責任者は長期的目的を破綻させず、士気も崩壊しないように注意深く物事のバランスを取る必要がある。
そしてこの舵取りは、組織が巨大であればあるほど困難になる傾向にある。


*1 より正確に言えば、士気の影響を考慮せずに立案した作業計画はどこかで破綻する運命にある。

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