【降伏】(こうふく)

Surrender.
戦闘中、自力では打開が困難なほど不利な状況に陥った兵士やその者の属する部隊艦艇が、それ以上の戦闘の継続や後方への撤退を断念し、敵側に捕虜として下ること。
降伏を決断する「不利な状況」の基準は、おおむね次の通り。

  • 敵に交通路を封鎖され、行軍あるいは撤退のための移動手段が断たれた。
  • 燃料・弾薬・食料など、兵站物資のストックが尽きた。
  • 戦闘の結果、部隊の隊員に戦死傷者が続出し、部隊としての組織的な戦闘が出来なくなった。
  • 艦艇機関や舵が損傷し、航行不能になった。

白旗や(降伏を意味する)信号旗を掲げたり、何も持たずに両手を開いて挙げたりすることで降伏を望む旨をハッキリと伝え、承諾されたら、指示に従い武器を捨てて大人しくするのが慣例*1

敵に屈する精神的な抵抗感*2のみならず、捕虜になった後どんな恐ろしい目に遭うか*3ということもあり、降伏の決断は非常に難しい。
また「武装解除して並ばせた後で全員射殺」というパターンもあり、降伏すること自体すらも難しい。


*1 逃亡や抵抗を試みれば、即座に射殺されることが多い。
*2 特に第二次世界大戦時の日本軍では「生きて虜囚の辱めを受けず」と説かれた「戦陣訓」などの影響により、他国に比べて降伏することに対する抵抗感が特に強く、部隊が全滅するまで戦い続ける(玉砕)ことが善とされていた。
*3 一応、ジュネーブ条約ハーグ陸戦条約(戦時国際法)では、捕虜は丁重に扱う様定められている。
  しかし、遵守されないのは珍しくもなく、戦争を有利に進めることを優先するがあまり拷問によって情報を聞き出すといったことも起きる。
  特に、ゲリラ化した民兵テロリストを相手にする事が多い現代の戦争では、降伏した戦闘員は軍人ではないことから、こうした条約に則った扱いがなされないことも多い。


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