【金の壁】(かねのかべ)

技術的には実現可能である(あった)にも関わらず、開発費・生産費・維持費が高額すぎて実現不能な(破綻した)プロジェクトを指す比喩表現。
元は超音速航空機の開発計画に関する揶揄で、音の壁熱の壁を突破した先に待つ最後の壁とされる。*1
軍事技術史は常に金の壁との戦いであったが、ことさら20世紀後半以降は兵器開発・配備のコストが高騰の一途を辿っている。

科学技術上の問題ではないため、一般的な科学者・技術者の立場では検知できない。
このため、量産・実用段階に入った後、経済面で問題が起きてから初めて存在に気付く事も少なくない。
そしてほとんどの場合、発覚後に行える現実的な対策はプロジェクトの縮小・凍結のみである。

関連:音の壁 熱の壁 コンコルド コンコルド症候群

金の壁が問題となったプロジェクトの一例

航空軍事にかかる開発分野で、金の壁が重要な問題となったプロジェクトの一例を挙げる。


*1 配備するのが遅すぎて成果が無意味になる「時間の壁」、政治家や官僚の介入や怠慢(法制上の欠陥や政治的都合など)によってプロジェクトが暗礁に乗り上げる「バカの壁」などもあるにはあるが、これらは常に問題になるわけではない。

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