【義勇兵】(ぎゆうへい)

Volunteer

職業でも義務でもなく自発的意志で第三者の紛争に参加して戦う人間の事。
徴兵制による招集や職業軍人など、紛争当事国の国家主権に対して奉仕を行う者は含まれない。
また、傭兵テロリストなど、明らかに公序良俗に反する目的で活動する者も含まれない。

戦時国際法に基づく基本要件を満たすなら、正規の軍隊と同様に戦闘員として扱われる。
また一般に、非合法戦闘員とみなされる者は義勇兵であるとは認められない。

しかして、その実態

「義勇兵」という呼称には多分に自画自賛的な側面があり、その定義は曖昧である。

典型的な義勇兵は民兵の形態を取る。
最も人口に膾炙するイメージは「正規軍と連携して侵略者に立ち向かうレジスタンス」であろう。
しかしレジスタンスはしばしばテロリストもしくは傭兵であり、「義勇」を動機としていない。

またそもそも、義勇兵が存在するためには、その兵に対する兵站の供給が絶対に必要となる。
即ち、義勇兵の背後では必ず経済活動が行われており、それが「ボランティア」である事は普通ない。

さらには、第三国の正規軍が「義勇軍」を名乗って進駐してくる事も珍しくない。
もちろん、そうした他国からの義勇兵が字義通りの「義勇」のために訪れたのだと考えるのはどうあっても無理がある。
代理戦争にせよ、国家の外交にせよ、利権誘導にせよ、背後に戦略を持たない派兵はまずあるものではない。


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